拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

椅子/Let It Be

2024-05-13 09:33:22 | 音楽

男がヒロインに「二人だけで祝いたい」と言ったとき、ナレーターの尾野真千子は「おやおやおやおや」と「おや」を4回言った(朝ドラ)。なぜ4回だったか。2回は少なすぎるし5回は多すぎる。だから決勝戦は3回vs4回。思うに、「3」は騎馬民族のリズムであるのに対し、「4」は2×2、すなわち、「おやおや」+「おやおや」の二拍子系である。農耕民族である日本人は二拍子系になじんでいる。だからである、というのが私の推測である。

はて、ではなく、さて、奥地の家には椅子がなかった。ので、横野君がリビングで楽器の練習をするときはずっと立ったまま。そしたら椅子が欲しいと言い出した。まったく。最初は「こんなによく響くところで練習できるだけでありがたい」と言ってたくせに、だんだんに図に乗ってくるんだから。でも、丸椅子があれば高いところでの作業も楽だな。と思ってポチった。お値段は約2000円。お値打ちだった。

椅子がないので、居間でテレビ(チューナーが入ってないから配信動画専用。だから正確にはテレビとは言えない)を見る時は寝っ転がって。でも、座ってばかりいると体に悪いというけれど、だからと言って寝っ転がってばかりだともっと体に悪そう。怠惰の極みだから太宰治じゃなくても「人間失格」って思っちゃう。♪寝っころばっていたって幸せは来ないからー……ってキャンディーズの歌もあったし(違った。泣いてばかりいたって……だった)。なので、リクライニングチェアも同時にポチった。

お値段は約8000円。脚を伸ばすタイプにしなかったのは、ささっと立ち上がるため(怠惰にならないため)。こうみえて、体のことを考えてる。因みに、座ってる状態から片足で立ち上がれるかどうかが健康のバロメーターだと聞いた。できましたよ、私。一応、元元元アスリートで売ってますから(中学のとき陸上競技をやっただけなんだけど)。うん、これは正解だった。組み立ては附属のスパナ一個で簡単にできたし、壊れそうもないし、座り心地も悪くない。お値打ちだった。

そうした新環境で見た一発目はビートルズの映画「Let It Be」。半世紀以上前に公開され、以後、テレビでちょこっと放送されたことはあっても正式にはソフト可されなかった。だから、動画配信でググっても出てこなかった。それが、今回新たに編集されたヴァージョンがディズニー+で配信されることになった。ディズニー+にはスターウォーズを見たくて入っている。イカ、じゃなくてタコ、じゃもっとなくて以下、「Let It Be」の感想。

噂通り、当時のビートルスのメンバー仲は険悪。特にポールとジョージ。「じゃ、弾かない」「そんなことを言ってない」等々集団にありがちなやりとり。このすぐ後、ビートルズは解散したんだった。でも、10年やったんだから、よく持ったとも言える。

そんなに仲の悪いグループでも、いざセッションとなると、ばちっと合わせるところはさすが。楽屋でひとっことも口を聞かない漫才コンビが舞台ではじけるごとしである。

ジョンの傍らにはいつもヨーコの姿。黒髪で服も黒くて神秘的。しかも、カメラが頻繁にヨーコのアップをぬく。因みに、世界で一番有名な日本人は、今ではショーヘイ・オータニかもしれないが、半世紀前はヨーコ・オノであった。

私はジョン推しだが、ポールの「Let It Be」の歌詞には癒やされる。「めげたときの魔性の言葉、それは『Let It Be』」って内容である。「なるようになるさ」って感じだろうか。シャンソンの「ケ・セラ・セラ」とも相通じる?「思い込んだら試練の道を……」とは真逆の思想である。私の人生もなるようになって今こうなっている。

だが、映画の中で一番インパクトがあると思われるのは「ゲット・バック」。クライマックスの屋上ライブでは冒頭と最後の二回歌われる。実は、私がビートルズで最初に聞いた曲が「イエスタデイ」でも「ヘイ・ジュード」でもなくこの曲だった。

その屋上ライブで、ある意味一番脚光を浴びてるのが警察。いきなり町中に轟く大音響に人々がびっくりして建物の周りの道路は大渋滞。周りのビルの屋上にもタダで見物しようと人々が集まってくる。そんな中、騒ぎを聞きつけてやってきた警察にカメラが密着。まるで、警察がくるのを見越し、最初から狙っていたみたいだ。そんな警察官の多くはほっぺたの赤い若者。職務中でなければ喜んでビートルズを聴いていたかもしれなかった。

歌詞の「Oh,Yeah!」は、「王(おう)、家(いえ)」に聞こえなくもなかった。「タモリ倶楽部」が続いてたら、空耳アワーに応募したかもしれない。

 



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