拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

シミーズ、おらしょ、笛リス

2021-07-06 19:59:39 | 言葉
外国語の素養が子供の頃よりもついた今なら「シミーズ」は変、多分「シュミーズ」なんだろう、と思うが、当時はなんの疑いもなく「シミーズ」と言っていた。どうやら私だけではなく、日本中がそうだったらしい。外来語はえてしてそうういもの。隠れキリシタンが歌っていた「おらしょ」だって元は「oratio」(オラーツィオ)だし、神奈川県下有数の女学院だって土地の人は「笛リス」と発音していた。「笛リス」の「エ」は本当は「ェ」だと知ったのは、所属していた高校の吹奏楽部が笛リスの弦楽合奏部と合同で演奏会をやったときである。因みに、当時、笛リスの指揮をしていた私より一つ上のKさんは、その後音大の声楽科に進み、なんとバイロイト音楽祭でヴァルキューレの一人を歌うまでに大出世されたが、私は、当時、だから高校生のとき、そのKさんと菊名のラーメン屋に二人で入ってコーヒーをご馳走になったことがある(ラーメン屋に入るのが主目的ではなく、コーヒーを飲みに入った店がたまたまラーメン屋だった)。ヴァルキューレにコーヒーをおごってもらった!なんと光栄な話だろう。思い出してほくそ笑んだところでシミーズに戻る。「シミーズ」は正しく「シュミーズ」と発音されるようになる前に「スリップ」「キャミソール」という言い方にとって代わられたようだが、私にとっては、母が温泉に入ったときに着けていたものは永遠に「シミーズ」である。「母」=「温泉」=「シミーズ」ですり込まれているからだが、ふと考えてしまった。その後、私の脳内で「シミーズ」が「スリップ」や「キャミソール」に上書きされた覚えがない。それは、そういう類いのものを、温泉事件以後意識して見た覚えがないからである。これは何を意味しているだろうか。可能性その1。女性の下着姿を見る状況になったことがない(かまととかっ)。その2。そういう状況はあるにはあったが、お相手がその類いのものを身につけてなかった(夏だけかっ)。その3。同じくそういう状況はあるにはあり、お相手はその類いのものを身につけていたが、お相手が電光石火のスピードで自ら脱いだ(弾よりも速く!~スーパーマンより)。さぁ、どれでしょう?知るかいっ(怒)。まあいい。過去は振り返らない。今後、そういう状況に巡り会うこと、そして、お相手が旧シミーズを身にまとっていることを切望しつつがんばって生きていこう。