拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

興奮、鳥肌(Veni! 千人通唱会に!)

2019-07-04 23:33:58 | 音楽
(承前)さっそく、できあがった土台(クラリネットのパート譜。余白に他のパートを書き込むことができる)を見ながらYoutubeでバーンスタインの「千人」を視聴。クラがない箇所の全部を他のパートで埋めるようなお暇様ではないから、Youtubeを聴きつつ長い休みの後でクラが入りづらそうなところだけ「リード」として他のパートを書き込む所存である。なにせ音だけが頼り。映像といっても指揮者をいつも撮してるわけではないし、撮してても大指揮者ほどどこを振ってるのか分からなくなる。カラヤンは横になよなよ振るから分からないし、ベームはびっくり人形みたいで分からない。バーンスタインは、なぜ分からないかがしばらく見てて分かった。この人は小節の途中で四つ振りを八つ振りに変えたりとかする。だから慣れぬまで分からないのだ。こういう指揮ばかり見てると、某超有名日本人指揮者の振る曲は正直感動したことがないのだが、演奏家からの評判が高いのがよく分かる。この人(に限らず、日本人で「Sメソッド」ってやつを習得してる人)の棒はほんとに見やすいのだ。でもなー、感動がなー。なぜだろう……。話を戻す。だから、バーンスタインの指揮する映像を見てちゃんと入っていけるようにしとけば、通唱会本番はプロの指揮者がいらっしゃるんだから絶対大丈夫である。そう思って、バーンスタインの映像で大丈夫なくらいの最小限の書き込みをして、で、あらためてバーンスタイン指揮の下で吹く(つもりになる)。実際に楽器は吹かない。楽譜を見ながら指だけを動かすイメージトレーニングである。とりあえず第一部。おおっ、最後まで通せた。なんだ、この感動は!興奮、全身鳥肌!素晴らしい!これはみなさん来るべきだ。曲がすごいし、なんと言っても通唱会だ。ソロだろうがなんだろうがどのパートを歌っても自由。こういう会は他にはない。「千人通唱会」に参加しないことは一生の不覚である。と、結局宣伝になったが、しかし、本気である(酔っ払ってるからなおさら本気である)。大いなる感動を味わうべく、来たれ「千人」に!

アレグロとアレグリア

2019-07-04 08:50:42 | 音楽

ケメ子よけにいつも左手を使うのはやはり不便。お茶を置いた。効果てきめん。さて。「千人」のパート譜はネットにタダのがあるのだが、他のパート(合唱部分とか)を書き込みたいので自分で作ることに。なにせ大部なものだから、ミュゼスコア(無償の楽譜ソフト)のPDFインポート機能を使おうと思ったらあえなく「不成功」。結局、いつものとおり1からの手入力となった。合間合間の作業で3日で土台(他のパートを書き込む前のクラだけの楽譜)が完成(写真でケメ子が座布団にしているもの)。われながらすごいスピードである。この情熱が金儲けに向かっていたら今頃私は大金持ち。いや、金にならないからがんばれるとも言える。それにしても、マーラーの楽譜には指示が多い。「良きに計らえ」式のバロックの楽譜とは大違いである。その指示の多くはイタリア語とドイツ語のちゃんぽん。大昔、某合唱団の新年会で、私が「グーテ・ヴォーチェ」と口走ったらインテリ揃いのメンバーから「ちゃんぽんだ、間違ってる」との一斉攻撃を受けたが、ほら、マーラーだってちゃんぽんだよ。「Voces8」だって。往々にしてインテリってやつは融通が利かない。大体想像の羽根を広げて世紀の大発見をするのは私のようなネジが何本か抜けた手合いである(私は発明はしないけれど)。その楽譜には当然「Allegro」(アレグロ)が出てくる。いよいよ本題である。中学校の頃、イ・ムジチの四季(ヴィヴァルディ)を町のレコード屋に買いにいったらソロがアーヨのやつ(最初の録音)とミケルッチのやつ(二度目)の二つがあった。店にいた常連らしい人はアーヨのを勧めたが、私はおまけのスコアに惹かれてミケルッチのやつを買った(当時はレコードのおまけにスコアがついてくることがあった。私の読譜力の多くはリゴレットのレコードのおまけのスコアで培われたものである)。で、聴く前に予習をしようとおまけのスコアを読む。「春」の冒頭は「Allegro」である。おっ、速いんだな、こんな感じか、とイメージしていよいよレコード盤に針をおろす(懐かしい表現。でも、レコードは再びブームだそうだ)。なに?お、遅い。私がイメージしたテンポの半分のテンポだ。「アレグロ」は「速い」と習ったのにこれはどういうことか。当時は合点がいかなかった。「Allegro vivace」だって不可解だった。速いの?急速なの?どっちなのって感じである。「allegro」はもともと「速い」ではなく、「陽気な」「愉快な」の意味だってことを知ったのはその後いつのことだったろう。すると「Allegro vivace」は「元気に速く」かぁ、合点がいったのであった。そういえば、サーカスで「アレグリア」ってぇのがあったなぁ。「アレグロ」との関係は?おおありだ。スペイン語やポルトガル語で「楽しい」「愉快」の意味だという。語源が同じなのは明らかである。