拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

「遊ぶ金も甲斐性もなかった」

2019-07-12 08:17:25 | 日記
この新しいパソコンは、ときどき「もう長い時間作業をしているから休みましょう」とか言ってくる。こないだは「入力ミスが多いようなので休みましょう」と言ってきた。失敬な。私はテキストを作る際、表現が違うと思うと一斉変換をすることがある。それを「入力ミス」ととらえたのだ、このパソコンは。そういう誤った「指導」をするから子供はグレるのだ(私は子供か)。それはともかく、たしかに疲れたので休憩。テレビのスイッチを入れる。すると「日の名残り」のラストシーンだ。これ、公開時に見た。原作が日系の人だなんて当時は知らなかったが(カズオ・イシグロがノーベル賞を取ったとき初めて知った)、初老の二人(演じるのは、エマ・トンプソンとアンソニー・ホプキンス)の恋愛ともつかないよく分からない関係を描いていて、なかなか味のある作品だった。きっと、今見たら違う感動があるのだろう。なんてったって、私の歳がこの二人に追いついてきたから……ん?悪い予感。慌ててググろうと思って「日の名残り スティーブンス(ホプキンスの役名)」と打ったら続いて「年齢」が出てきた。同じ事を調べようと思う人はいるものだ。すると「60歳を超えてる」。どきっ。同年配?いや、100歳だって60歳越えである。とにかく、ゆっくりしたら全編見返してみよう。因みに、ホプキンス演じるスティーブンスを見てたら「おしん」に出てくる源爺(演:今福 将雄)を思い出した。そのおしんが「身も心も竜三の嫁になった」のは祝言を挙げてからだいぶ経ってから。順番が違うんでないかい?ちゃんとやることやってから結婚すべきだと思うけどな(順番が違うのはどっちだ)。それにしても、「身も心も……」のナレーションは妙になまめかしい。翌朝、二人がいちゃついてるシーンも。見せつけられる源爺が気の毒である。ところが、新婚早々、竜三がおしんに手を上げた。DVだ。慰謝料たんまりとって別れろ(って今なら言いますが、当時はね)。ちょっと前の回になるが、とても心に残る台詞があった。おしんの父が死んで、かーちゃんが故人を偲んで言った「遊ぶ金も甲斐性もなかった」。なんだか、心に染みました。