拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

2017-11-24 10:43:53 | 音楽
いただいたコメントによると、富山では「あなた」のことを「ば」と言うそうだ。そういえば、イタリア・オペラのテキストには「Va!」(行け!)がよく出てくる。一字で文になってしまうんだからイタリア語は経済的。そのぶん日本語訳が大変だ。「Va!」が乗ってる一音に「行け」の二文字をあてなければいけない。そういえば、リゴレットが殺し屋スパラフチレと別れるとき「Va!Va!Va!Va!」と言うのだが、ここ、堀内敬三訳だとどうだっけ。見てみよう。あれ?ない。中一のときに買った全曲盤レコードのおまけについていたヴォーカル・スコア(私はこれと第九のスコアで音楽の勉強をした)。私の宝物なのに、レコードもろともない。捨てるわけないから押し入れの奥にあるのだろう。私の目の黒いうちに再会できるだろうか?仕方がないから、必死に思い出してみる。「行けっ!行けっ!行けっ!行けっ!」だっけ。「行けっ!行けっ!もう、いい」だっけ。「さ、ら、ば、じゃ」だっけ。だんだん想像色が強くなってくるようでもある。最初の話に戻そう。日本語どころではない。ドイツ語はもっと長い。しかも、展開に時間がかかる。イタリア・オペラでは「ターモ」「ぶちゅっ」で終わるところ、ヴァーグナーだと「この思いはなんなんだろう」と分析し始めるからなかなかぶちゅっにならない。例えば「行けっ」は……あらま「Geh'!」で済んじゃった(ヴァルキューレの第2幕の幕切れ)。おまけの話その1。イタリア人に「ターモ」と言ったら(別に愛の告白をしたわけではない。オペラの歌詞にこんなのがあったよという話)、「ティアーモ」だと直された。「『ターモ』は省略形でオペラではよく聞く」と言うと「聞いたことがない」と。その2。「あらま」はお昼にやってる「トットちゃん」で黒柳徹子さん役の女優さんがよく言う台詞。気に入ってる(台詞が。それから女優さんも)。