拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

割れても聴けるホロヴィッツ

2017-11-26 11:51:11 | 音楽
なーんてタイトルだと例の来日公演の際の「ひびの入った骨董品」を思い浮かべる人があるかもしれない。そうではなく、全盛時に録音したトロイメライのSP(78回転のレコード)をソファに置きっぱなしにして、忘れて座ってバリッと割ってしまった話(子供の頃)。アナログの良いところは、それでも真ん中の紙のラベルの部分でつながっていてバラバラになってさえしなければ再生できるということ。そう、私が小学生の頃、家にあったレコード再生装置である「電蓄」(電気蓄音機の略)は故障でLPが聴けないので、もっぱらSPばかり聴いていた。30センチ盤でも3分で終わる。逆に、そのくらいの時間だと朝学校に行く前に一曲聴くのにちょうど良かった。聴いてた中にはストコフスキー&フィラデルフィア管の「ハンガリー狂詩曲第2番」があった。これを父が買ったのは映画「オーケストラの少女」の影響だったことは明らか(ミーハーな父だった)。なんとそのSP盤をFB友達が蓄音機(電気なし)で再生した動画をアップしてくれた。懐かしいし、音がびっくりするくらい良い。昨日は、昼、映画「愛と哀しみの果て」で蓄音機でSPをかけるシーンを見て、夜、その動画を見て、SPルネサンスの日であった。あと、子供の頃聴いたSPの中にはカルメンの第1幕への前奏曲もあった。その後オペラを聴くときはもちろんだが、「たけしのTVタックル」のテーマほか、いろんなテレビ番組で使われてて、それを聴くたびにある種の感慨にひたる私である。関係のない余談(以前のブログに書き忘れたこと)二題。その1。リゴレットに「Va!」(去れ)と言われる殺し屋スパレフチレはブルゴーニュの出身である。最近ヌーヴォーが解禁になったボジョレーだってブルゴーニュの南端にあって一応ブルゴーニュである。その2。黒柳徹子さんのドラマ(トットちゃん)での口癖の「あらま」(気づいたら私もしょっちゅう使ってた)は、イタリア人には相手の話にいちいち反論しているように聞こえるのだろうか(あら、ma)。