拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ワーグナーはクラシック(古典派)ではないが、ワグネリアンはクラシックに出るかもしれない

2017-11-28 18:33:17 | 音楽
ふと思った。「茨城」は「いばら姫」の眠る城か?茨城県の「茨城」の名の由来の一つに賊から守るために城を茨で作ったというのがあるそうだ。さて本題。前回、「いばら姫」の中に「aufheben」って言葉があって、そっちは某都知事の用法とは違って通常の用法であると書いた。だが、「通常」はなにで「変チクリン」がなにと決めつけてもいけない。言葉の使い方は人それぞれだ。例えば「クラシック」と聞いて、音楽好きなら「クラシック音楽」を思い浮かべるだろうが、競馬好きなら「ダービー」を初めとするクラシッック・レースだろうし、車好きなら「クラシック・カー」、家具好きなら「クラシックな家具」、それからさっき知ったのだが、コスプレ好きなら「クラシック・ナース」だろう。ところで、一口に「クラシック音楽」というが、いったいどこからどこまでがクラシック音楽なのだろうか?例えば、私は「古楽」「ベートーヴェン」「オペラ」が好きだが、ベートーヴェンを除いては「クラシック」という呼び方がどうもしっくりこない。あらためて、Wikiのドイツ語サイトでその定義を見る。まず、音楽はE-Musik(いい音楽!ってことではなく(それでよいかもしれないが)、「ernste Musik」(まじめな音楽)の略だ)と、U-Musik(Unterhaltungsmusik(娯楽音楽)の略)に大きく分けられ、E-Musikが広義のクラシック音楽(klassische Musik)に相当する。で、その広義のクラシック音楽がさらに古楽と狭義のクラシック音楽(古典派)とロマン派の音楽に分類される。さらに、狭義のクラシック音楽は、前古典派とウィーン古典派(最狭義のクラシック音楽)に分類されるということだ。しかし、そもそものE-MusikとU-Musikの区別がどうも気に入らない。じゃあなにかい?クラシックは娯楽で聴いちゃぁいけないのかい?まあ、言葉の使い方は場に応じてということで。「ワグネリアンがクラシックに出る」と言った場合、これは音楽の話をしているのではありませぬ(ひーんひひひひひ)。

いばら姫

2017-11-28 10:50:33 | 言葉
相変わらず読み続けているグリム童話はいよいよ「いばら姫」。そこに流行語大賞候補のあの言葉が出てきた。「祝宴に呼ばれなかった13番目の魔法使いがやってきて、姫に『15歳で死ぬ』との呪いをかけた。それを12番目の魔法使いが『aufheben』(これこれ!)できなかったが、『100年の眠りにつく』に緩めることができた」。ここでの「aufheben」は某都知事(都知事は一人しかいないのだから伏せ字にならない)がお好きな「止揚」の意味ではなく、もっと普通の用法の「取り除く」。そりゃそうだ。メルヘンに「止揚」なんて哲学用語を使っても子供は分からない。読んでる大人だった分からない。ところで、「100年の眠り」だと目が覚めたらみんないないよなぁ、将来の宇宙飛行士と同じで寂しいなぁ、と思ったが、王と王妃をはじめ城中が眠りにつくから無用の心配であった。それでも怖いと思ったのは、城が眠りについてる間、城の回りはいばらで覆われ中が見えない状態。何人かが侵入を試みたが、体がいばらにからまれて身動きができなくなってみんな死んでしまった……げー、じゃあ、城の周りはお陀仏だらけ!?じゃあどこかの王子様はなぜ侵入できたかというと、この人がとりわけ勇敢とかいうのではなく、100年たったので自然と通路が現れたというのだ。グリム童話は、その王子と結婚してめでたしめでたしとなるが、別の童話集でのヴァージョンでは、姫が眠りについたとき王と王妃は落胆して城を去ったりとか(すると、さきほどの心配(目が覚めたら肉親がいない)が現実のものとなる)、眠りを覚ましてくれた王子の母が人食いで姫と生まれた子を食おうとしたとか、なかなかおぞましい。さて、冒頭、「魔法使い」と書いたのは「die weisen Frauen」。直訳すると「賢い女(達)」でそう訳しているものもあるが、一般には「魔女」になっている。魔女は魔法を知っていて賢いのだろう(でなければ呪文を忘れてしまう)。魔女もいろいろある。「Hexe」「Zauberin」そして「weise Frau」。