拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

カラスVSテバルディ(性格編)

2015-06-21 23:20:51 | 音楽
(承前)それから、テバルディは温和でカラスは気性が荒いと言われてた。前に読んだんだけど、デル・モナコは「テバルディは優しかったけどカラスはきつかった」とはっきり言ってるし、トスカで名コンビを組んだゴッビでさえ「あるトスカの公演で第1幕のカーテンコールでハプニングで自分だけで出たらカラスが激怒して『つぶしてやる』と言った」と言ってる。ただ、この時はゴッビも負けておらず「僕だってこの世界ではそれなりの地位があるんだよ」と脅迫合戦。その後、カラスがめそめそしながら「ティト、まだ怒ってる?」「いや、いいんだよ」(まるで痴話げんか)。さて、カラスとテバルディの当事者間ではどうだったのか(以下、今回見たドキュメンタリーで仕入れた話)。対決をあおってたのはそれぞれのファンだったそうで、カラスは「(テバルディは)友達」、テバルディは「友達じゃないけど敵対してるわけではない」。それでも両者が同席した記者会見でカラスがテバルディの失敗話をしつこくしたとか(やっぱりカラス、性格悪っ)。テバルディは「スカラ座に二匹の雄鶏は無理」と言ってイタリアを去る。テバルディはほんとに人間ができてる。馬鹿な記者が「世界一の歌手は誰?」なんて失礼な質問をしても、無言ながら笑顔を絶やさない。さて、オナシスとも別れてひとりぼっちになったカラス、なんとテバルディに電話をかけてたんだと(私、ヒエーッと絶叫。テレビを見ながら絶叫するのは昨年の有馬記念でジェンティルドンナが一着でゴールした時以来)。で、テバルディは優しく慰めたんだと。いい人すぎ。お付き合いするならテバルディがいい。でも、お母さんが大好きでずーっと独身だったという。

カラスVSテバルディ(声編)

2015-06-21 09:37:34 | 音楽
山内さんにBSの「カラスVSテバルディ」を見たかと聞かれ、し、しまったーっ、録画しようと思ってて忘れてた-、かろうじて再放送に間に合う(情報提供に感謝)。面白かった。「美声のテバルディに表現力のカラス」と言われるが、番組ではテバルディが歌ってる曲を途中でカラスに切り替えたりして違いをアピール。もともとカラスの声は聞いてすぐ分かるが(トスカでカラスと名コンビを組んだゴッビも)。ところで、テバルディのすごさは録音で分かるがカラスは実演を見なければ分からない、と言われるが、私は、テバルディも、そのすごさは録音では捉えきれないと思う。テバルディを生で聴いたことはないが、同じ「イタリア声」と言われるスコットやフレーニは、胴体から出た声が同心円的に増幅していってホールを埋めた(イチローのレーザービームのようなグルベローヴァの声とは対極)。こういう感じってCDからは味わえない。それから、カラス。私は、若い頃(大スターになる前)のカラスの声が好きで、その声はまず「でかい」(クンドリーだって歌ってた)。でもってコロラトゥーラをこなし、超高音もきれいに出た。番組ではカラスの歌を「崖から半分乗り出した車のよう」にスリリングと言っていた。私は、かつて当ブログで「カラスは宇宙戦艦ヤマト、はたまた轟天号」と書いた(http://blog.goo.ne.jp/masashiiijima/e/3fb5649d00e612300b23efad881fbdcd)。そのカラスの声は1950年代後半、急速に失われていく。私は、急激なダイエットのせいだと思ってた(上記過去のブログに写ってるケメ子はダイエット前)。3点Esで凱旋の場(アイーダ)を支配した1950年代初頭の100キロ越えを維持していればもっと長く歌えたんじゃないの?と思ってた。ところが、番組によると、どうも原因はオナシス(愛人)らしい。カラスに夜通し酒を飲ませ、はまきを吸わせ、ヴォイトレをしてるカラスを「やめろ」と呼び出したりした。これじゃ歌えなくなるよね。まあ、カラス自身、もともと派手好き、社交界好きだったというが(ジュリアナで踊ったくちか。テバルディは禁欲的な生活だったそうだ)。まてよ、ダイエットしてきれいになったからオナシスが寄ってきた。すると、やはりダイエットが原因だったってことか?(続く)