「マレ」の輪子さんとジェンティルドンナ、目が似てる。さて。マリア・カラス(わが家(の人口が二人だった頃)では、烏を「アラス」と呼んで区別していた。皆はその泣き声を「カー」と言うが、私には「アー」と聞こえるもんで。)は、ベッリーニのノルマが得意だった、というよりノルマはカラスによって復活した。その「カラスのノルマ」のレコード(CD)はあまたあるが、私がもっとも好きなのは1955年のスカラ座ライブ。音は悪いが、なんたってアダルジーザがジュリエッタ・シミオナート!まろやかな深い声で二重唱ではカラスと同じ高音をなぞる。わが家(同前)では、親しみをこめて「おシミちゃん」と呼んでた。幸いにも、おシミちゃんの日本での映像がいくつか残ってる。「アイーダ」「カヴァレリア・ルスティカーナ」「カルメン」等。「アイーダ」はデル・モナコと共演したものが全曲残ってるが、私がこれよりすごいと思うのは、アントニエッタ・ステッラと共演した方(私が生まれる数年前)。こっちは一部しか残ってないが、この二人の対決はすごい。火花がとんでそう。しかも、このときのおシミちゃんはとってもきれい。私はおシミちゃんがタイプなのだ。いやいや、そんな軽々しく呼んではいけない。シミオナートは、スカラ座の建物の中まで自動車で出入りするほどの超超大物であったのだ。