拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

映画「猿の惑星」と日系人強制収容

2015-06-29 10:54:41 | 日記
週末は「猿の惑星」の旧シリーズとティム・バートン監督のリメイクをまとめて観た。旧シリーズでジーラ(雌猿)をすごいメイクで演じてるのはキム・ハンター。それに対し、バートン監督の方の雌猿は、おなじみヘレナ・ボナム・カーター(監督の奥さん)。亭主の作品ですごいメイクをするのは毎度のこと。バートン監督は、毎度、お姑さん(カーターのお母さん)から「娘に変なメイクをするな」と怒られるんだそうだ。さて。第3作(新・猿の惑星)で、人が猿に「Have you a name?」と質問してた。へーえ。「Do you……?」じゃないんだ。こんなドイツ語みたいな語順もあるんだ。なーんてのんきな気分で観てられなかったのが第5作(最後の猿の惑星)。原題は「Battle for the Planet of the Apes」、つまり猿と人間の戦いがテーマ。劇中、猿に攻撃をしかける人間が憎々しげに「apes」と言うとき、pとsをことさら強く発音してた。合唱団の発音みたいだ。これ、日本人を蔑むときに使うあの言葉を連想させる。というか、もともと「apes」にもそういう意味があるそうだ。一方、攻撃されたゴリラは、猿たちと仲良く暮らしていた人間を檻の中に閉じ込める。これって、大戦中にアメリカが日系人にしたことと同じじゃないか。と思っていろいろ読んでたら、大戦中、日系人は愛国心チェックと言うのをやらされて、その中の二つの質問に「No,no」と言うと迫害された、というのがあった。えっ?映画でも「No」は人間が猿を迫害してた時代の象徴的な言葉で使用不可だった。えらくつながる。この第5作が公開されたのは1973年。他方、フォード大統領が、強制収容を「間違いだった」と認めたのは1976年。レーガン大統領が謝罪したのは1988年だった。