暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

お稽古を再開しました

2020年06月11日 | 暁庵の裏千家茶道教室

「水上青々翠」のお軸に泰山木をいけました(10日) 花器は宇和島焼

 

お稽古を6月6日から再開しました

風炉に入って初めてのお稽古なので、初炭、薄茶、濃茶の基本点前をしています。

どのようなコロナ対策をしているのか・・・いつか、笑い話になることを期待しつつ記録しておきます。

人数はベランダ茶席へお招きした際に生徒さんの意見や希望を伺って、個別、または2人までとしました。午前中は10時から1人、午後は13時から2人までです(原則、1回に2点前なので)。

先ず、玄関にアルコール消毒液を置いて、すぐに手を消毒していただきます。もう一本、洋間(待合)に置いてあり、気になる方はどんどん使っていただくようにしてあります。水屋に手洗い用の石鹸を用意し、手を洗う時には水甕に蓋をするようにお願いしました。

マスク持参と使用(特にお点前さん)をお願いしてあります。

トイレに手拭き用のタオルが2枚ありますが、これも自分のタオルかハンカチを使っていただくのはその方の判断としました。

 

初日(6日)の花(土佐水木、未央柳、撫子、夏枯草、二人静) 花器は駿河千筋籠

 

一番頭が痛いのが換気です。

第1日目(6日)は全部の窓を開け放し、さらに茶席と洋間に扇風機を使いました。

確かその日の温度は28℃くらいまで上がっていて、M氏とAYさん(ステキな薔薇の小紋)、そして私も着物だったので「冷房が欲しい・・・」と思いました。初日だったし風があったので何とか冷房なしで凌いでもらいましたが・・・。

 

 

第2日目(9日)は立礼の稽古日でした。いつも洋服でいらっしゃるAIさんですが、なんと!ステキな紺の夏物でいらっしゃいました(並々ならぬ気合を感じて嬉しかったですが、私は洋服でごめんくださいませ)。

その日は30℃の予報が出ていたので、すぐに冷房をいれました。コロナの脅威もさることながらマスク使用なので熱中症の方が心配です。

秋に予定しているお茶事のために立礼の初炭と濃茶を修練していただきました。

 

 

第3日目(10日)は13時からN氏とKさんが着物でいらっしゃいました。30℃の予報が出ていたので直前まで風を通してから3室冷房(茶室、洋間、水屋の玄関)でお迎えしました。途中で換気をするつもりでしたが、お点前が終わったところで3回するつもりが忘れて1回しただけでした(反省!

 

 

茶席は八畳の広間(立礼は洋間)です。お点前さん、客1人、私ですのでそれほど密でなく、マスク使用ですのでそれほど心配はないかしら・・・という状態です。そのように思うのもここのところ神奈川県の新感染者数が嘘のように減ってきたことにあります。このままOが続いてくれたら(0が77日ぶりとか)・・・と願います。

お点前ですが、最初に初炭、濃茶と薄茶は各服点です。茶碗と茶巾を1回ごとに替えて点てて頂きました。使用済みの茶巾は洗わず、そのまま使用済み専用のタッパーに入れてもらいました(終了後、茶巾は熱湯と次亜塩素酸で消毒、干した後にアイロン仕上げ、茶碗も熱湯と洗剤で洗っています)

主菓子は縁高に1個ずつ、当分はケースごと入れて頂き、干菓子は銘々皿でお出しするようにしました。

 

 

あとは特にいつもと変わりありませんが、久しぶりのお稽古はとても新鮮で、試行錯誤のコロナ対策準備も再開の喜びが先に立ち、苦労ではありませんでした。

「先生、お茶っていいですね~。お茶を点てることも頂くことも、そしてこの空間もやすらぎます・・・」

嬉しそうなKさんの言葉に私も大きく頷いたことでした。 

 

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明日っから再開します!

2020年06月05日 | 暁庵の裏千家茶道教室

 

明日から・・・明日っから

コロナウイルスで4月から2ヶ月間お休みしていた暁庵の茶道教室を再開します。

2、3日前からいろいろ準備に取り掛かりました(直前にならないと身体が動かない習性はいまだになおりませぬ)。

先ずは掃除、今日は本格的(?)に茶室の拭き掃除に取り掛かりました。

洋間(待合)にはいつのまにか使わない茶道具が1つ、2つと増えてきて、これらの片づけから始めました。茶箱が3つ、花器が3つ、茶碗類たくさん、釜が1つ、水指が2つ・・・なんでこんなに出してしまったのかしら?

掃除が終わったら、待合と床の掛物を変えなくっちゃ・・・。

待合には「青楓に杜鵑」を考えていましたが、いまだ見つからず色紙「主人公」を掛けました。

床には「水上青々翠」、大好きなお軸ですが、どんなお話をしようかしら?・・・ちょっとワクワクします。

まだまだやることは一杯! 

箱炭斗を洗って風炉用の炭を詰めながら、炭の細さに風炉の到来を実感します。

灰を篩って、灰形(二文字押切)を調えました。灰形(鱗灰を除く)は7種類と思い込んでいたら、調べてみると9種と書かれているのもあって混乱しています。

さらに「玄々斎の高弟・深津宗味が指導し、門弟たちに1つずつ作らせた灰形模型」(茶道資料館蔵、淡交2005年5月号 特集「風炉のはなし」)では8個ありました。

・・・いくつあってもよろしいですが、たまには二文字押切以外の灰形に取り組んでみようと、先人の残した灰形模型を拝見しながら思ったことでした。

 

       (定家葛・・・謡曲の「定家」に由来する名前です)

 

花と花入に悩んでいますが、明日、庭の花を見て決めることにしましょう。

濃茶も薄茶も各服点なので、茶碗と茶巾をたくさん使います。1回使った茶巾は専用タッパーへ、後でまとめて消毒してから洗います。

さて、茶筅についてわからないことばかりなのがわかりました。一体今まで何を学んでいたのだろう・・・と反省しきりです。先生にいろいろお教えいただいている最中ですが、まだ全て理解できていないので、いずれ整理してから書きたいと思っています。

 

 

素敵な一文に出会いました。お稽古で今一番伝えたいことは次の言葉かもしれません。

 

禅(茶)の心とは、物事にとらわれず今この一瞬を大切に生きること。

執着を手放し日々満足して生きること。

余計なものをそぎ落としてシンプルに生きることです。

きつい修行をしなくてもいいのです。毎日の中でできることから取り組んでいけば、どんな人でも必ず変化を感じることができます。

         「怒らない禅の作法」より (枡野俊明著 河出書房新社)

 

・・・とても心に響く、勇気が出てくる言葉でした。いつの間にか”禅””茶”に読み変えていました。

生徒さんと一緒にできることから取り組んで、何かを(もちろん茶事も・・・)地道に積み上げていきたいです。

 

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都会の誰もいなくなった街

2020年06月03日 | 暮らし

 (立派な欅が少なくなりました・・・横浜郊外の散歩道にて)

 

6月2日のことです。

さて、これから散歩へ出掛けよう・・・と思っていたら、固定電話が鳴りました。

息子からでした。

めったに電話など掛かって来ないので、「病気かしら? コロナではないでしょうね?」と心配しながら電話へ・・・。

「短編映画を撮り終えたので、とりあえず報告を・・・。短い作品だけれど持てる力を投入した”好い映画”が出来たと思っています。これからどこかの国際映画祭へ出品するつもりだけれど、コロナで延期されたり中止の映画祭が多くまだはっきりしない。とにかく元気だから安心して・・・」

「それはおめでとう! どんな映画なのかしら? 早くその短編映画を見せてね」と私。

 

    

映画を見ていないし、詳しいことはわからないのですが、友人から送られてきた写真が彼の創造力をいたく刺激したらしいのです。

それは「都会の誰もいなくなった街」・・・表参道の写真(4月15日)。

コロナで人が消えた街の風景、武漢、ニューヨーク、パリ、ベネチアなどテレビで紹介され、とても異様な雰囲気だったのが思い出されます。

・・・こんな機会はめったになく、そんな映像は今しか撮れないと思ったとか。

(興味がある方はこちらのブログをどうぞ・・・。http://loki.hatenablog.com/entry/2020/05/17/212131 )

 

「へぇ~、私には不気味で、コロナの脅威がひしひしと感じられるだけだったけれど・・・ね」

 

     (誰もいない散歩道を行く・・・水道みちにて)

 

今、街に人が徐々に戻りつつあり、コロナを逆手にとって仕事をやり終えた彼は次のステップへ踏み出そうとしています。

私は・・・といえば、時の流れに身をまかせ、コロナの嵐が吹き去るのを首をすくめて待っていただけだったなぁ~と思うのであります。

2ヶ月以上バスや電車に乗っていないので、横浜や東京へ出かけるのに心理的な抵抗を感じています・・・。

そんな状況ですが、そろそろしゃんと背筋を伸ばして、しっかりお茶に取り組まなくては・・・と勇気が出てきました。(電話をありがとう!)