暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

梅雨入り雑感

2020年06月13日 | 暮らし

    (梅雨の合間の散歩・・・雨降山(大山)に雲がかかると明日は雨  )

  

6月11日に関東甲信が梅雨入りになりました。

実は、雨の多い水無月や梅雨は嫌いではありません。

雨に降りこめられると、心は内なる声に耳を澄ませるようになり、お茶にぴったりの季節だと思うからです。

「いろいろな雨の景色」「聴雨」「蛍」「川」「水」「傘」などのテーマが次々頭に浮かんできて茶事をしたくなります。さすがに今年は空想だけの茶事ですませていますが・・・。

梅雨の最中に「夏至」を迎える頃になると、稲の成長に心を砕く農耕民族の血が流れていることを思い知ります。田んぼの稲の様子をわざわざ見に行くこともありましたが、稲作をする田んぼがどんどん無くなり、残念です・・・。

かつて近隣の村々では日照りが続くと「雨乞い」をし、雨が降れば「喜雨」を喜び、茄子、胡瓜、南瓜などをお供えして田の神に感謝する「直会(なおらい)」の行事が行われていました。

  (早苗が出そろった田んぼの光景を見るのが好きです)

 

そんな折、愛読書の「雨の名前」(高橋順子文 佐藤秀明写真 小学館)をひも解くと、「夏の雨」の冒頭にステキな詩を見つけました。

 

        雨男と雨女  

       雨女の目が大きくなって

    水たまりがどんどんできてくる

       あっちにも こっちにも

   あの女 いくつ目があるのだろう

           雨女のそばには

             雨男がいて

       憂鬱な青い顔をしている

        雨男が片目をつむると

         雨女は雨の髪を洗う

      すてきなストレート・ヘア

              濡れ髪に

            紫陽花一りん

 

  (梅の実を収穫、市販の梅の実も混ざっています・・・)

 

梅雨という言葉は中国からきたもので、ウメの実の実る頃の雨というのが語源らしい。

我が家でもウメの実を30個ほど収穫しました。ウメの実2袋と氷砂糖を追加して大びんに詰め、梅ジュースを作成中です。

時々、ウメのエキスを含んだ砂糖液がウメの実に浸透するように(カビを防止のため)瓶を横にして回します。「美味しい梅ジュースになりますように・・・」と念じながらゴロゴロ転がすのが結構楽しみかな。

冷やした梅ジュースを、生徒さんに熱中症対策でお出ししたり、お茶事の時に汲出しに使ったり、サイダーや炭酸で割ったりして真夏の飲み物として重宝しています。

 

  (近くの清来寺へ・・・色とりどりの紫陽花に埋もれていました)

 

           (斜面に咲く紫陽花の群落・・・清来寺にて)

 

梅雨といえば雨に濡れた紫陽花。

紫陽花の写真を撮りに近所の清来寺へ出かけると、青やうす紫の幻想的な世界が広がっています。種類も多く花色もいろいろなので、名前がわからず全て紫陽花でくくりました。

裏山の椎の大木の根本から湧き出している「椎の水」が健在で、嬉しい再会でした。

 

     (清来寺の「椎の水」)

神奈川県内の紫陽花の名所と言えば、箱根登山鉄道の「あじさい電車」や鎌倉の古寺(明月院、浄智寺、長谷寺、成就院・・・)を思い出します。

今年こそ紫陽花を愛でに「何処か遠くへ行きたい!」、久しく電車やバスに乗って外出していないので、どこか人の少ない穴場はないかしら??