

床に古筆切のような和歌が掛けられていました。
「七夕の歌を掛けてみました。紀貫之が詠んだものです」
先生の友人が古希のお祝いに書いてくださったという歌切でした。
ひととせに
ひとよとおもえど たなばたの
あひみむあきの かぎりなきかな
意味は、牽牛と織姫の二つの星が逢うのは
一年にたった一夜かぎりとはいうけれども、
七夕は来る秋毎に限りなく繰り返すのだから・・・
今は新暦の7月7日が七夕とされていますが、
旧暦7月7日は立秋のあとなので、
紀貫之の七夕の歌は秋の歌ということになります。
それにしても、時の流れに色あせない、羨ましい二人の逢瀬です。

「四万十の空から-星空への招待」というブログで、
「七夕は旧暦で・・・」という解説があり、紹介させて頂きます。
新暦の7月7日と旧暦7月7日(平成22年は8月16日)では、
織姫星・彦星(牽牛星)の高度がぜんぜん違います。
旧暦7月7日ならば、宵の空に織姫星・彦星(牽牛星)を含む夏の大三角形が
天頂 に昇っているので天の川を見ることが可能です(ただし、場所によります・・)。
その時必ず上弦近い月が出ていて、月が七夕の名脇役になります。
天の川を東から西へと渡っていく月が、
二人の渡し船とい う設定になっているからです(・・・ステキですね)。
星座の位置から考えると、
「七夕は、満月と同じく月齢に合わせた旧暦で行うべき行事で、
本来の七夕は旧暦の7月7日が正しい七夕」
という意見も頷けますね。
昔々、親子四人で四万十川上流の江川崎にある天体観測所へ行きました。
満天の星空に圧倒され、都会では見ることができない天の川、夏の大三角形、
さそり座のアンタレスを見つけた、あの夏の夜を懐かしく思い出しています。
そういえば、昨年8月5日にお伺いした立礼の茶事では
七夕の趣向満載でした。
七夕の茶会はまさにこれからが旬なのです・・・。



