暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

風炉の稽古が始まりました・・・カキツバタづくし

2023年05月15日 | 暁庵の裏千家茶道教室

   (「杜若」の御軸と花は「一尺アヤメ」です)

 

窓を開けると、爽やかな(ここのところひんやりした・・・)風がジャスミンの花の香りを運んできました。今年のジャスミンは花付きが悪いのがちょっと心配・・・。

さぁ~!5月5日から風炉の稽古が始まります。それに見学者がいらっしゃいますので、ちょっとお支度も風炉らしく頑張らねば・・・。

初風炉にふさわしい待合や床の掛物を何にしようかしら? と考えましたが、待合は短冊「薫風」(紫野・総見院 久祐師筆)にしました。

床には昨年は掛けずに終わった「杜若」(栖鳳画)を掛けることにしました。京都暮らし中に出逢った扇面「杜若」を表装して御軸に仕立ててもらったものです。

丁度、真MLのバーチャル香会「杜若香」へ久々に参席させて頂いたので、主催者T氏へのお礼の気持ちも込めています。

5日にIさんが唐物と薄茶(棚)を、6日にはM氏が初炭と薄茶(棚)、T氏が真之行台子を稽古しました。難しい唐物や真之行台子を風炉の最初の稽古でするわけは、14日に許状式があり、IさんとT氏が唐物と真之行台子の点前を披露するからです。

初風炉にふさわしい花が何か咲いているかしら? 庭のあちこちでひっそりと、雪ノ下、二人静、都忘れ、壷珊瑚、紫つゆ草、定家葛が咲いていて、シモツケや撫子も蕾をつけています。 

5日の待合のお花は、鮎籠(訂正:賀茂川)の掛け花入へ定家葛と都忘れを入れましたが、定家葛の水揚げが悪く、薄紫の花(名前が?)に変えてみました。

     (「薫風」の短冊とお花・・・待合にて)

翌日の朝、「一尺あやめが咲いているよ」とツレが教えてくれました。早速、初花の一輪を切り、古銅唐銅(尊式)の花入へ生けました。御軸とダブってしまいましたが、まあ~よろしいでしょう。

 

     (5月の或る日の薄茶の点前座)

5月の稽古科目は風炉の基本点前(薄茶、濃茶、初炭)です。

2科目を稽古して頂くので、薄茶でも平点前と棚を使った薄茶点前になります。たくさん茶道具を揃えているわけではありませんが、限りある中で生徒さんが選んだ道具組がとても楽しみです。

そんなお稽古の合間に根津美術館の特別展「国宝・燕子花図屏風ー光琳の生きた時代1658-1716」へ出かけました。会期が5月14日までだったので駆け込みでした。

    (国宝「燕子花図屏風」・・・ポスターを撮影しました)

何年ぶりでしょうか、本当に久しぶりの「燕子花図屏風」との対面でしたが、音声ガイドのお陰で作者・尾形光琳のこと、構図や色づかいの特徴、使われた貴重な絵の具など、改めていろいろな視点から鑑賞することが出来ました。とにかく間に合ってヨカッタ!です。

美術館庭園の「弘仁亭の燕子花」は終盤を迎えていましたが、それでも健気に咲いていてくれました。

       (弘仁亭の燕子花)

新緑の力みなぎる楠の大木が見下ろし、青楓に囲まれた茶室・披錦斎で、「燕子花」のお菓子で薄茶一服いただけたのも良い思い出です。

     (「終始一誠意」(青山書)の御軸・・・披錦斎にて)

 

カキツバタづくしの5月の前半でした・・・。

 

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