(且座之式で生けてくださった花・・・花入は鵜籠)
令和6年7月15日(月、祭)に特別稽古をしました。
内容は七事式のうち、且座之式、花月之式、香付花月之式の3科目です。
七事式の稽古は久しぶりで3月の廻り炭之式の時以来です。七事式は実際に身体を動かして覚えていくしかないので、機会があれば1回でも多く修練して頂けたら・・・と思っています。
先ずは基本の且座之式と平花月、もう1つ香付花月之式を修練しました。
且座之式の偈頌は「是法住法位」、この式では役割、順位が決まると替ることはありません。
水屋で札を引き、東はAYさん、半東はKRさん、正客はKTさん(香)、次客はHM氏(花)、三客はIJさん(炭)となりました。
最初に次客HM氏が花をいけます。暑さが厳しく花が集まるか心配していましたが、花台に花が溢れていて一安心です。青楓、島葦、水引、木槿、桔梗(白)、山芋ともう一種(?)の7種を鵜籠(淡々斎好み、竹宝斎造)に生けました。
次はIJさんの炭手前です。すぐあとにお香があるので、炭手前では香は焚きません。
(釜は天命責紐釜の写し、炭斗は松山籠です)
風炉では炭手前の後に風炉中拝見(正客と次客)があるので、半東KRさんは灰器と炭斗を下げ、香盆を正面に置いて風炉中拝見が終わるまで茶道口に控えています。拝見が終わると、香盆の正面を正し、正客へ運び、帰りに棚の茶入を水指正面におきます。
香は正客KTさん、順番に香を聞いて回していると、とても良い薫りが漂ってきました。香は「伽羅」(松栄堂)です。
次は東AYさんの濃茶です。濃茶は2人ずつ2碗を練ってもらいました。濃茶は青雲(一保堂詰)です。
且座之式のハイライトの1つ、濃茶が終わり、飾り菓子を半東が正客へ運び出し、東は茶碗をすすぎながらタイミングを計り膝前に置き、東と半東が同時に立ち上がって踏み込み畳で、互いの左肩が触れ合うようにすれ違うシーン、これがスムースに出来るようになると嬉しいです・・・。
最後は半東さんが東へ薄茶を点ててねぎらいます。薄茶は松柏(丸久小山園)です。
且座之式にはいろいろ細かい決まりや動き出すタイミングがあります(例えば、半東が茶筅を振って薄茶を点てだしたら、東は干菓子器を回してから持って正客前へ持ち出し、帰りに薄茶の茶碗を取り、次席へ戻り頂く)
それを覚えるのは教本を読んだり、実際に身体を動かして経験するしかありません。ただし、教本は家で読み、当日は自分の記憶に任せて環境へ飛び込むことが大事です。本をたよりながらやっていると、いつまでも覚えられないからです。「点前はゆとりを持って、環境に飛び込む」・・・忘れたくない「茶の教え」より
でもネ 大丈夫! 確実に前へ進んでいるのが手の取るようにわかります。頑張りましょう。
お菓子は2種類、水羊羹(たねや製)と青梅(石井製)を七事式の合間に賞味して頂きました。
香付花月の香銘は「朝顔」、皆さま、素敵な和歌を詠んでくださいました。会記を記念に記します。
香付花月之式
青色の朝顔咲けよと水をやる
幼き吾子の夏の思い出 KR
種まきて育て上げたる朝顔の
咲き誇る朝いと嬉しけれ KT
虫干しの竿にはためく藍浴衣
袖に咲き満つあさがおの花 IJ
世の中を何にたとえん夕露も
持たで消えぬる朝顔の花 HM
過ぎし日に幻揺れる夏雨の
塀越しに咲く白の朝顔 AY
出香 HM
香銘 朝顔