暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

卯月の教室だより・・・炉から風炉へ

2018年04月23日 | 暁庵の裏千家茶道教室



今年は早や藤の花が満開になり、真夏日も多く・・・これからどうなるのでしょうか。

4月17日はS先生の東京教室の稽古でした。S先生が唱和之式で活けられた花を見て
「もうすっかり風炉の花ですね。
 風炉の花が咲いているのですから、自然の成り行きに合わせて風炉にした方が良いですね。
 炉は名残を惜しまず潔く塞ぐ・・・と言われています」


   いよいよ椿も終わりです・・・

暁庵の教室でも4月18日を炉での最後の稽古日としました。
先ず、Kさんの初炭から始まりました。
釜は又隠口四方透木釜、なかなか迫力があって、毎年4月に出会えるのを楽しみにしている釜です。
裏千家八代又玄斎一燈好で、透木釜の口造りを四角形にし(四方口とも)、「又隠」(ゆういん)の二文字を鋳出しています。
四角形の口は茶室「又隠」の躙口を表わしているそうですが、蓋の摘みは掻き立て鐶になっています。
この蓋の切り方ですが、躙口の戸を開けるようにかしら?・・と興味深く想像していたら、そうではなく四方全部が開くように蓋を切ります。



又隠」・・・茶道大辞典より
重要文化財。裏千家の茶室。宗旦が隠居屋敷を四代仙叟に譲って再び隠居する際に造立した四畳半であると伝えられている。
茅葺入母屋造妻入で、軒は極めて低くひなびた外観を形づくっている。
躙口の正面に床を設け、炉は四畳半切で洞庫(どうこ)を具え、茶道口は太鼓襖一本引の方立口である。
天井は躙口側半間通りを化粧屋根裏、他は網代天井としている。
窓は客座側と躙口側に下地窓が一窓ずつと突き上げ窓が開けられているのみである。
利休の完成した草庵風四畳半を再現したものとみられるが、宗旦は楊枝柱を導入したりして侘びの趣を一段と強調している・・・(後略)。
(一度だけですが又隠に入らせて頂いたことがあります・・・感謝 



        又隠口四方透木釜

さて裏千家流では、3月は釣釜、4月になると透木釜を使いますが、毎年1回は稽古して頂きたい釣釜と透木釜の炭手前です。
3月の釣釜で使った雲龍釜と又隠口四方透木釜は蓋の摘みが掻き立て鐶になっています。
侘びを感じる風情は大好きですが、帛紗で掴む時とても掴みにくく、皆、四苦八苦しています。
でも点前が終わりころになるとコツがつかめてスムースになるから凄い!です。
蓋に茶巾を乗せる時、乗せやすくするために掻き立て鐶の掴み棒(?)を茶巾で持って向うへ移動させ、茶巾を他に移すとすぐに元に戻します。

透木は宗旦好みの桐、火付き側を釜(火)の方に向けて扱います。
4月に透木釜を使うのは炭火が見えると暑苦しく感じるので・・・という配慮からだとか。
冬の間に溜まった灰を減らし五徳もないので、炉中がすっきりしています。
炭も細めが良く大事に取っておくのですが、なんせ炉の最後なのでなかなか揃えられないのが実情でしょうか。

初炭のあと、Uさんの和巾、Kさんの盆点、Uさんの貴人清次薄茶と続きました。
炉の風情を惜しみつつ、先日はFさんとN氏が茶通箱を広間と小間(台目出炉)で2回修練し、炉の四ヶ伝を皆で頑張りました。 


    主菓子は「花水木」    打出庵大黒屋製

・・・そして21日に灰を篩い、風炉の準備を始めました。
唐銅道安と眉風炉の2個分の灰を篩わなくてはならないのですが、腰に配慮し先ずは1個分から・・・。
4月25日から風炉で稽古になります。
風薫る時季、清新の気を込めて初風炉の稽古がとても楽しみです。 


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