「一華開五葉」・・・大好きな禅語です
4月17日はS先生の東京教室の卯月の稽古でした。
毎月1回、S先生の元に十数名の弟子が集まって、切磋琢磨しながら楽しく稽古しています。
詳しく書きたいところですが、S先生の真意をお伝えするのはとても難しく、つい久しぶりになってしまいました。
床には「一華開五葉」の御軸が掛けられ、白い牡丹がいけられています。
この日の科目は、行之行台子、和巾点、濃茶付花月(運び)、昼食後に後炭、重茶碗、唱和之式でした。
濃茶付花月(運び)は初めての見学でしたが、早速やってみたくなりました。
何でも自分でやって経験してみないと、なかなか身に付きませんので。
暁庵は「重茶碗」の四客と唱和之式に参加しました。
Yさんお持ち出しの白い牡丹・・・・牡丹も咲くのが早いですね
「重茶碗」の亭主はN氏、昨年秋に入会された若き男性です。
重茶碗なのでお客さまは5名、ずらりと先輩方が並んでいましたので
「・・・少々上がっております・・・」
お菓子が運ばれて、お点前が始まりました。
水屋担当のI氏がいつも珍しいお菓子を用意してくださって、毎回楽しみにしています。
N氏のお点前を拝見しながら美味しく頂戴していると、茶入から回し出される濃茶の色がいつもと違いました。
「あらっ!若葉のような色に見えるのですが・・・」と思わず声を出しますと、
「今日のために特別の濃茶を用意いたしました。どうぞお楽しみに・・・・」
(まぁ~なんて素敵なんでしょう! お心入れの濃茶を用意してくださるなんて、まるでお茶事みたい・・・と思いました。きっと皆さまもそう思ったことでしょう・・・)
頂戴すると、練り加減よく、いつもより薄い緑色の濃茶は甘くまろやかな中にも苦みが感じられる、美味しい濃茶でした。
客一同から感激の声が上がり、お正客がお尋ねすると、
「「白授」という茶銘で八女・星野製茶園詰でございます。
小堀遠州流の茶席で頂戴して、とても美味しかったので、皆様へ差し上げたいと用意いたしました(特別仕様の抹茶みたいです)。
美味しく飲んで頂けたようで、安堵しております」
S先生も濃茶を頂きたかったことでしょう・・・と思っていましたら、ちゃんと用意していらして薄茶でお召し上がりになりました。
「色も緑淡く、美味しいお茶ですね。ほんのり苦みがあるところが通好みですね」
S先生もご亭主N氏も皆さまも和やかに、そして心も舌も満たされたお稽古となりました。
次は唱和之式、最初に全員で花を生け、香を聞き、濃茶を頂き、薄茶は花月で三服点、重硯が回され懐から取り出した短冊に活けた花に因む和歌を書き、最後に文台に短冊を乗せ、二度ずつ和歌を読み上げます。
皆さま、素敵な和歌を唱和してくださったのですが、短冊を引き上げるのも電光石火の如くでして、ご披露叶いません・・・残念!
椿 行く春を惜しみ集ふか尾長鳥
椿屋敷の 花の間に間に 暁庵
床の間に思い思いに活けられた花に炉の最後の華やぎを残して、卯月の稽古が終わりになりました。