(つづき)
「お炭を置かせていただきます」
スウェーデンの旅で購入した樺細工箱炭斗を持ち出しました。
樺細工箱炭斗にマリメッコのナプキンを敷きました
朝茶事の炭手前は初炭とほぼ同じですが、風炉中拝見があり、水次で釜へ水を差し、濡れ茶巾で釜を浄めます。
あとで小堀遠州流のYさまとKさまから月形のことを尋ねられました。
「あれは何ですか?」
裏千家流の茶会は経験されていますが炭手前は初めてだそうで、その質問が新鮮でした。
「この灰形はお正客さまをお迎えするために心をこめて調えました・・・」
言葉ではなく「月形を切る」ことでそのような亭主の心意気を示しているのです・・・と。
灰形は二文字押切でしたが、小堀遠州流の灰形は全く違うようなのです。
拝見したことが無いので想像できません・・・が、いろいろ興味深いお話が満載でした。
樺細工水次はスウェーデンみやげの見立てです。
しっかりした口蓋が付いており、中に実験用ガラスフラスコが入っているのが気に入ってます。
香合は独楽香合。
ブータンの旅ではご縁がなかった塗りものでしたが、南仏・エクス・アン・プロヴァンスで出合うことが出来ました。
炭手前が終わり、待合のテーブル席へ動座して頂き、懐石となりました。
今回の懐石は準備不足もあり、今一つ自信がありません・・・。
それに一人亭主のせいで時間ばかり掛かってしまったようで、反省ばかりです(シュン!)。
懐石後に主菓子「森の朝露」をお出ししました。
下げてきた懐石膳、小堀遠州流のお終い方が珍しくパチリ
(右上の下は小吸い物椀、上に杯、その上に小吸い物椀の蓋を伏せて)
「森の朝露」(寿々木製)・・・実際には染付大皿に笹葉を敷いて
中立の頃に雨が止んで陽が差してきたので、後入りの合図は銅鑼です。
7点(大・・・小・・大・・小・・中・中・・大)打ちました。
腰掛待合が使えないので、玄関先の簡易蹲踞を使って後入りしていただきました。
朝茶事の懐石
向付 胡麻豆腐 山葵
汁 赤味噌仕立て 絹豆腐 ジュンサイ 茗荷 辛子
煮物椀 鰻入り蓮根餅 椎茸 三つ葉 生姜
盛り合わせ 里芋 茄子揚げ煮 オクラ 楓麩 パンプキン麩の田楽
小吸物 青柚子
八寸 昆布煮 枝豆の松葉刺し
香の物 沢庵 胡瓜糠漬 茄子浅漬 柴漬 奈良漬
酒 上善如水(白瀧酒造)
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