暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

葉月の教室だより・・・茶箱まつりと暑気払い

2017年09月08日 | 暁庵の裏千家茶道教室
           
              螺鈿と銀箔(黒くなっている部分)の草花文が素晴らしい茶箱・・・N氏愛蔵

久しぶりの教室だよりです。
8月の前半は夏休みだったので、8月23日が葉月最初の稽古日でした。
この日は茶箱まつり、「暑さを吹き飛ばそう!」と、茶箱点(ちゃばこだて)の集中稽古をしました。
茶箱点は裏千家流固有の点前で、全部で6種類あります。

裏千家十一代玄々斎が利休形(好み)の茶箱を用いて雪(冬)・月(秋)・花(春)そして卯の花点(夏)の四季を表わす点前を考案しました。
このほか、十三代圓能斎と十四代無限斎(淡々斎)が御所籠を用いた色紙点を完成させ、さらに、無限斎は和敬点を考案しました。

茶箱に茶碗、薄器、茶杓、茶筅の入った茶筅筒、茶巾の入った茶巾筒、振出しを入れ、盆または掛子(かけご)と呼ばれる中蓋を使ったり、茶碗、薄器、茶杓に仕覆を着せるか否か・・・など、お支度も点前も複雑かつ微妙に違います。
お支度がさらさらと出来れば、その茶箱点はできたも同然・・・とよく言われています。

             
              暁庵の茶箱 銘「からくれない」
              (一閑塗 色紙ちらし茶筥  表雲斎造)

最初はKさんの「卯の花」・・茶箱点の基本になる点前で、茶箱の平点前と言われています。盆を使いますが、盆の上に諸道具を並べ、茶は茶箱の蓋上で点てます。
次にUさんの「花」・・・茶碗、薄器、茶杓は仕覆扱いです。盆を使い、盆の上で茶を点てます。
KさんとUさんは7月に続き茶箱点は2回目です。

          
                雪点前のお支度(右にあるのは掛子です)

3番目はN氏の「雪」・・・茶碗、薄器、茶杓は仕覆扱いです。盆は使わず、掛子を使い、茶は掛子の上で点てます。
雪点前は四国遍路の献茶で用いたので、暁庵にとって特別の想い出のある点前です。
N氏の侘びた味わいのある雪点前を拝見しながら「なぜ雪なのかしら? どのように雪を感じさせたらよいのかしら?」いろいろ瞑想しました。

最後はFさんの「月」・・・器据(きずえ)という板(桐の木地板四枚を紫の打紐で綴り合わせた)を使い、器据に諸道具を並べ、この上で茶を点てます。
最初に香を焚くのもステキな味わいがあり、香道で使うウグイス(針)を茶筅立てに応用しています。
茶箱点前中で最も美しい点前とされる月点前、Fさんお持ち出しの春慶塗茶箱が華やかさと温か味を添えていました。

点てた茶を出すときは必ず古帛紗を使います。
道具の拝見を乞われると、茶器、茶杓、それから、茶筅筒、茶巾筒、仕覆が入った茶箱を拝見に出します。

        
            高麗茶碗「狂言袴」、茶器(山田宗偏由来)と象牙茶杓・・・N氏愛蔵

        
            網袋、古染の茶巾筒、漢詩の彫られた茶筌筒・・・N氏愛蔵

「茶箱まつり」なのでN氏とFさんがMy茶箱をお持ち出しくださいました。
骨董好きのN氏の茶箱は光悦の作風を思わせる優品です。
皆の目が輝き、茶箱に納められたお道具をつ一つを手に取って拝見させて頂きました。
説明するN氏もお道具たちも嬉しそう・・・。


        
         ミートボールを食べながら皆でスウェーデンの茶友に想いを・・・
          (写真はIKEA提供です)

稽古後、待合のテーブルで暑気払いの食事会となりました。
北欧の旅で賞味したスウェーデン料理を食べて頂きました。
・・・が、実はIKEA港北店で調達した食品(ミートボール、サーモン、ジャガイモパンケーキなど)を温めたり、煮たり、サラダにしたり、サーモンおにぎりをにぎったり・・・したものです。
飲み物はビール、白ワイン、ウメッシュ、麦茶。
簡単な料理ばかりですが、ワイワイガヤガヤ・・・楽しく賑やかにいろいろなお話が飛び交って宴はつづきます・・・こんなパーティもたまにはいいですね!

                 

夏風邪を退散させた・・・と思っていたら、2日後にぶりかえし声が出なくなりました。 


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