暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

四国遍路・一期一会   由岐(雪)点前

2009年07月10日 | 四国遍路

第二十番札所鶴林寺と第二十一番札所太龍寺を打って、
以前から泊ってみたかった、龍山荘に宿泊しました。

龍山荘から第二十二番札所平等寺を経て、
第二十三番札所薬王寺まで30キロの行程です。
かなりがんばって歩かなくては・・・の距離です。

月夜御水庵を過ぎ、国道へ出ると道が二つに分かれています。
迷いましたが、車とトンネルが多い国道を避けて、
前回と同じ由岐を経由する海沿いの道を選びました。

今まで山道ばかりでしたので、海へ出た時の気持ち良さを
想像すると、道の遠さも厭いません。
それに、由岐には忘れられない思い出も・・・

途中に新しく遍路小屋が建てられています。
その一つ、田井ノ浜にある遍路小屋でお接待を受けました。
美波町由岐に住む三人の女性が今日の当番だそうで、
食料や飲み物をたくさん用意して待っていてくれました。

温かいコーヒーと手作りの稲荷寿司が美味しく、
お腹も心も満たされます。
先を急ぎたい気持ちもありましたが、お礼がしたくなりました。

「たまにはお遍路さんから接待されるのもよいでしょう?」
抹茶と振り出しの霰糖をお出ししました。

「こんなことは始めてです。ありがとうございます!」
と三人の女性は嬉しそう。
「この点前は何というのですか?」
「茶箱の雪点前といいます」
「あらっ、私たちにぴったり。由岐(雪)点前ですね!」

前回訪れた時の由岐での思い出を話していると、
お遍路さんの団体がやってきました。
きびきびとお接待する三人に黙礼して、お別れしました。

田井ノ浜・遍路小屋でのんびりしすぎたので、それからが大変。
今までで一番長い30キロを歩ききって、日和佐のふなつき旅館へ
着いたのは6時を回っていました。
最後はくたびれ果てて、足を引きずりながらのゴールでした。
                          
 
   (前へ)   (次へ)   (四国遍路の項トップへ)
 
    写真提供:陸の孤島だより~美波町由岐ナビ~


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。