第二十番札所鶴林寺と第二十一番札所太龍寺を打って、
以前から泊ってみたかった、龍山荘に宿泊しました。
龍山荘から第二十二番札所平等寺を経て、
第二十三番札所薬王寺まで30キロの行程です。
かなりがんばって歩かなくては・・・の距離です。
月夜御水庵を過ぎ、国道へ出ると道が二つに分かれています。
迷いましたが、車とトンネルが多い国道を避けて、
前回と同じ由岐を経由する海沿いの道を選びました。
今まで山道ばかりでしたので、海へ出た時の気持ち良さを
想像すると、道の遠さも厭いません。
それに、由岐には忘れられない思い出も・・・。
途中に新しく遍路小屋が建てられています。
その一つ、田井ノ浜にある遍路小屋でお接待を受けました。
美波町由岐に住む三人の女性が今日の当番だそうで、
食料や飲み物をたくさん用意して待っていてくれました。
温かいコーヒーと手作りの稲荷寿司が美味しく、
お腹も心も満たされます。
先を急ぎたい気持ちもありましたが、お礼がしたくなりました。
「たまにはお遍路さんから接待されるのもよいでしょう?」
抹茶と振り出しの霰糖をお出ししました。
「こんなことは始めてです。ありがとうございます!」
と三人の女性は嬉しそう。
「この点前は何というのですか?」
「茶箱の雪点前といいます」
「あらっ、私たちにぴったり。由岐(雪)点前ですね!」
前回訪れた時の由岐での思い出を話していると、
お遍路さんの団体がやってきました。
きびきびとお接待する三人に黙礼して、お別れしました。
田井ノ浜・遍路小屋でのんびりしすぎたので、それからが大変。
今までで一番長い30キロを歩ききって、日和佐のふなつき旅館へ
着いたのは6時を回っていました。
最後はくたびれ果てて、足を引きずりながらのゴールでした。
(前へ) (次へ) (四国遍路の項トップへ)
写真提供:陸の孤島だより~美波町由岐ナビ~