暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

第3回お茶サロン「お茶とハーブティーを楽しむ会」-3

2016年10月03日 | お茶サロン&ご近所さんと茶会



つづき薄茶で薄茶は半東Kさんにお願いしました。
水屋では相田さんが、煙草盆、干菓子、仕組んだ茶碗などしっかり用意しています。
私はちょっと水屋で一休みしてから席へ入りました。
丁度、正客Sさまから茶入と仕覆の拝見が掛かり、Kさんが茶入を浄めているところでした。
とても落ち着いて、いつものように点前をしています(ヨカッタ! なんせ入門して年月が浅いので・・・)。
お客さまも薄茶になって緊張がほぐれたのでしょうか、ステキな笑顔が席中に溢れていました。
4つの茶碗にさまざまな風のエピソードを交えながら、お客さまとの交流を心から楽しみました。

                    

次客SAさま続いて正客Sさまは水色の茶碗(琴浦窯、桐山作)です。
晴天の空を思わせる水色なので「無風」にしようと考えていましたが、
良寛さんが子供たちにせがまれて凧に書いた「天上大風」という風の名前に変えました。
何やら秋風は「無風」でも一筋縄ではいかない魔物が潜んでいるような・・・。

                    

次いで、三客Hさまには「突風」、これは銘「うずまき」という神奈川焼・井上良斎15世市村羽左衛門(凄く好い男です)を偲んで作った茶碗です。
形や描かれた渦まきはやさしく上品ですが、力強い「突風」を秘めています。

四客Uさまと詰のYさまは水屋にて相田さんに点てて頂きました。
四客Uさまの絵唐津は銘「水面(みなも)」(川喜多半泥子作)、さわやかな微風が水面に小さな渦を作っている、そんな風情のある茶碗です。
半泥子らしい遊び心のある形も面白く、人気でした。

詰のYさまは力強い刷毛目の茶碗(大徳寺窯)、一陣の風に黄金の稲田を吹き渡る「金風」を託しました。
京都・南坊流のU先生から頂戴したこの茶碗でお茶を飲むと、卒寿の先生から優しく激励されて元気が出る・・・そんな想い出の茶碗です。

                    

濃茶は松花の昔(小山園)と青雲(一保堂)をブレンドしてみました。
主菓子は銘「法隆寺」、柿餡を柿色の羊羹で包み、ヘタは練きりで作られている柿で寿々木製です。
薄茶は清浄の白(小山園)、干菓子は武蔵野せんべいと桔梗(鶴屋吉信)をお出ししました。

もう一つ、茶杓について書いておきます。
8年前に銘が気に入って購入したのですが、なかなか出番がありませんでした。
茶杓銘は「颯々(さつさつ)」、前田宗源和尚作です。
「颯々」とは風の音のことですが、いつも四国遍路を思い出します
遍路中に聴こえた自然のサウンド・・・風の音、雨の音、波や砂の音、鈴の音などが胸キュンで迫ってくるのです。

次回はいよいよ相田康子さんのハーブティー講座「3つのテーマでハーブを楽しみましょう」です。


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