今日は7月7日、七夕(新暦)です。
スウェーデンへの帰国が迫った7月2日(土)、Oさんの最終稽古と送別会をしました。
この日のお軸は
「応無処住 而生吾心」
読み下しは、
応(まさ)に住する処を無くし
而(しか)もその心を生ずべし
足立泰道師の筆で、「金剛経」の一節です。
私たちの周りには大小無形の柵(しがらみ)があり、いつの間にかそれらに心を縛られていますが、
「心をとらわれることなく、あるがままに自由自在にその心を向けよ」
暁庵からOさんへのはなむけのメッセージです。
お茶の神様のご配慮で、日本で暁庵と出会ったのですから、これを機会に
Oさんの自由自在なお茶の世界を自分の環境を活かして作り出してほしい
・・・と願っています。
最終稽古は、Oさんの希望で初炭手前と唐物、それとFさんの茶通箱の客でした。
スウェーデンでは炭が入手しにくく、風炉の炭手前はほとんどしたことがないそうです。
スウェーデンに限らず日本でも、くぬぎ炭、枝炭それに香まで高騰して頭が痛いところですが、茶事では炭手前が欠かせません。
それで、果敢に初炭手前に数回挑戦して頂きました。
茶事を前提にした稽古なので、濃茶ではお菓子を運び出した後に
「どうぞお菓子をお召し上がりください。
席を改めたく存じますので、お菓子をお召し上がりになりましたら
先ほどの腰掛待合へ中立をお願い致します」
「それでは中立させて頂きますが、ご用意が整いましたら
どうぞお鳴物でお知らせください」
「ことによりましたら・・・そのようにさせて頂きます」
紋切型の問答ですが、本番ですらすら言えるように稽古で言ってもらっています。
「箱根の稽古茶事へ参加したので、問答の大切さがわかりましたが、
・・・・やってみると難しいです」とOさん。
最終稽古の後、社中が集まり、イタリアンレストランでささやかな送別会をしました。
白ワインを傾け、美味しい前菜、ピザ、パスタ、スペアーリブのステーキなどをパクつきながら、ワイワイ愉しく過ごしました。
7月7日に帰国ということで、今頃は飛行機に乗って天の川を横切っているかしら・・・。
「ほおずき」(神楽坂・梅花亭)と半泥子の茶碗で一服
来日の折は教室へ顔を出して、美味しいお茶とお菓子とたくさんの好い刺激を味わってください。
スウェーデン語の「さようなら」を教えてもらったのですが・・・う~ん、出て来ません。
Oさん、「また、来なはいや」 (愛媛県南予地方の方言)
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