暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

韓国を訪ねる旅ー3  井戸茶碗づくり&熊川窯茶会

2016年10月24日 | 

    熊川窯茶会

このツアーの日程内容に次のように書かれていました。
◎ 現地の「三白土」を用いて井戸茶碗の作陶体験
  井戸茶碗の釉薬をかけて伝統の薪窯で焼成します
◎ 古陶磁陶片ギャラリー見学
◎ 崔熊鐸(チェ・ウンテク)先生宅で茶会

 

  熊川窯(ウンチョンヨ)の古陶磁陶片ギャラリー

「作陶なんてしたことないし、井戸茶碗をつくるなんて無理!」と思っていたのですが、
たくさんの陶磁器を見たせいか、やってみたい・・・と、その気になっていました。
熊川窯の工房で、早速、チェ先生が蹴(け)ロクロを左足で蹴りながら、アッという間にいろいろな茶碗を数個作って見せてくれました。
作陶をしている時のチェ先生のなんて魅力的なこと!
顔つきが鋭く、雰囲気も近寄りがたいのですが、崇高で素敵です。

  
           
隣室に電気ロクロが4台あり、最初にチェ先生に呼ばれてFさんが果敢に挑戦しました。
でも見ているとロクロを回す速度の調整や、特に形が出来てからの仕上げ部分が難しそうです。
井戸茶碗に魅せられて退職後に陶芸を始めたというSさん、さすが年季が入っていて次々と立派な井戸茶碗を制作しています。

暁庵も恐る恐る電気ロクロの前に座り、右足で速度を調整し、
「チェ先生、ヨロシクお願いします・・・」
あとは先生が手をしっかり添えてくださって、何とか形になったけれど難しかったです。
・・・なんと、結果的に大井戸になりました 
桃青さん(銀座で古美術店を経営)を除く6人が井戸茶碗の成形を終え、
あとの作業(高台削り、名入り、釉薬、焼成など)はチェ先生にお願いしました。





熊川窯の登り窯を見せてもらうと、とても大きく、太い薪(松)が山のように積まれています。
作品がたまってから火を入れるそうで、作った茶碗の焼成はずっと先になるとのことでした。
いつか焼成された井戸茶碗を持ち寄って、銀座の桃青さんに集まりましょう・・・なんて話が盛り上がって、出来上がるのが待ち遠しいです。

その後、古陶磁陶片ギャラリーへ戻り、茶会をしました。
正客はチェ先生、連客はガイドのMさん、丸山陶李先生、ツアーの全員、お点前はFさんとTさんです。
茶碗はチェ先生愛蔵の粉青沙器、全員が別の茶碗で薄茶を味わいました。


 茶会の準備中です


 粉青沙器(ふんせいさき)で茶を点てるTさん

窓の外に広がる自然豊かな風景、美しいお点前、侘びた茶碗で喫む薄茶・・・・・
静かに流れる茶会のひと時は、井戸茶碗づくりと共にとてもステキな思い出になりました。


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