暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

本 「裂がつつむ」

2014年04月25日 | 茶道具
・・・ちょっと落ち込んでいました。

散歩の途中、歩道近くの分離帯につまづいて、なんと顔面制動・・・。
とっさに手が出ず、顔面を目から火が出るほど打ちつけました。
それで、顔の左側が打ち身と擦り傷でお岩さん状態です。
4月29日の「京都の春を惜しむ茶会」までに治らないかしら?
治らないまでも傷を目立たなくしたい・・・と祈っています。 

そんな折に、ステキな御本「裂がつつむ」が届きました。
横浜に居るときに仕覆をお習いしていた小林芙佐子先生からです。
更紗の表紙を見た途端、うっとり・・・先生の熱い思いが伝わってきます。

           

早速、電話でお礼を申し上げると、
「なんか恥ずかしいのですが、あなたにも見ていただきたくて・・・」
先生らしい謙虚なお言葉が返ってきました。

「裂がつつむ」には20年余、仕覆にひたすら向き合ってこられた、
小林芙佐子先生の確かな足跡とゆるぎない信念を感じました。

           

どの頁の仕覆も垂涎の素晴らしい裂地で作られ、
茶道具たちを優しく温かく包んでいます。
茶入や茶碗だけでなく、茶籠一揃い、茶杓一式、香合、花入など
裂と茶道具が生み出すハーモニーが一段と茶道具を惹き立てています。
写真から中の茶道具を想像するのも愉しいです。

           

「お茶の道具は、持ち主の愛情で仕覆や箱が調えられて
 はじめて茶道具から”お道具”になるのよ」
・・・そんな先生のお話を、本を見ながら思い出しています。

古布や古い着物の裂地もあり、いわゆる名物裂ばかりではないのですが、
そこに先生のセンスと個性が輝いていて、素敵です。

            

「自分の茶事とは・・・? 
 自分のしたい茶事をしているの?」
・・・ふらふらと迷い、自問自答していた時だったので
ガーンと一発、殴られたような、愛の鞭を感じました。
(先生を見習って、迷いながらでも前へ進もう・・・っと)

「裂がつつむ」は非売品とのこと。
大事な記念の御本を大切に愛読するとともに、一人でも多くの方に
見て頂けたら・・・と思っています(貸出、大歓迎です)。