暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

さくらさんの「さくら茶会」-2014年3月30日

2014年04月05日 | 献茶式&茶会  京都編
                    小林一三記念館

2014年3月30日に小林一三記念館・即庵で行われた、
さくらさんの「さくら茶会」へ出かけました。
前回の「さくら茶会」から早や2年近く過ぎていました。

今回の「さくら茶会」は真ML茶の湯コミュニティを通じて行われたので
真ML会員の方々がスタッフとしてバックアップされていて、
チームワークの好さを感じる茶会でもありました。

              

阪急「池田」駅から雨上りの道を小林一三記念館を目指しました。
ステキな二階建ての洋館・雅俗山荘で同席のKさんとSさんと合流し、
待合の茶室・人我亭(にんがてい)へ。
待合の床に中国の風景らしき水墨画が掛けられ、桜の香合が荘られていました。

              

              

ご案内があり、正客のKさんを先頭に同席のお客さま5名と、
洋館の佇まいや見事な庭石が敷き詰められた庭を進むと、
七分咲きの桜が聳えていました。

即庵は、小林一三(逸翁)が昭和12年に雅俗山荘を建てたときに
作られた茶室です。
三畳台目に土間を二方に巡らせ、土間には10席の椅子席があります。
椅子席から畳に座るのと同じ目線になるように工夫されていて、
土間の向こうは面取りした桟のガラス戸がはめられ、庭が一望できます。

              

即庵の立礼席へ座り、ガラス越しに桜を愛でながらお茶を・・・
というご趣向が最高でした!
席主のさくらさんもお点前のアンさんも花を惹き立てるような
色合いのお着物で、こちらもステキでした。

               

床には大仙院老師筆「喫茶去」のお軸、
「去」というのは、「ね」「ねぇ~」という呼びかけの語句で
「お茶を喫(の)んで行ってね!」
さくらさんらしい自然体の茶席にふさわしい「喫茶去」です。

花は椿と枝もの、さくらさんちのベランダの鉢植から・・。
大好きな奈良・秋篠寺の傍らにある秋篠窯で作られた、
青磁釉の花入や茶碗に目を細めました。
中国や韓国などの旅先でご縁のあった茶碗が次々とが登場し、
ご亭主の味わい深いお話とともに楽しませて頂きました。

アンさんの美しいお点前で、さくらさんの深いおもてなしの心を感じながら
頂戴した二服の薄茶・・・至福の時間が流れていきました。

              

その中で、さくらさんの亡くなられた先生のお話が心に残っています。
ご高齢の先生は認知症が進んでいたそうですが、
50年教えてこられたお茶の事はきちんと覚えていて、
稽古の途中に倒れたとき、さくらさんが膝の上で抱いていらしたとか。
きっと先生もさくらさんの膝の上で安心だったことでしょう・・・。

さくらさんの温かなお人柄が偲ばれるお話でしたが、
お正客のKさんが親友であるからこそ伺えたお話で、
お二人のコラボレーションが素晴らしい・・・と思いました。

さくらさんとの再会を楽しみに、Kさん、Sさんと桜の即庵を後にしました。
さくらさん、スタッフの皆様、素敵な茶会をありがとうございました。

                                  

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