(つづき)
玄関に設えた腰掛待合へ中立をして頂きました。
陽が落ちて真っ暗な待合には灯りをいくつか用意しました。
露地行灯、手燭、そしてHさま手づくりのランプも・・・。
(クリックすると大きくなります)
後入の鳴り物にはじめて喚鐘を使いました。
2週間ほど、毎日1回打ってみたのですが、
強弱をつけるのが難しく、なかなか風情のある音が出せません。
「大・・・・小・・・中・・中・・・・大」
それでも、暗闇に響く喚鐘は後座への案内役にぴったりでした。
雨の正午の茶事にも喚鐘を使ってみたいです。
後座の床には
「応無処住 而生吾心」(足立泰道和尚筆)を掛けました。
友人のご主人黒河氏が造ってくださった燭台を添えて・・・。
座が鎮まるのを襖の外で座して待ちます・・・緊張感溢れるひと時。
襖を開け、茶碗を運びだし、次いで建水と手燭を持って入りました。
南蛮人燭台と手燭の灯りが四畳半の茶室を照らしだしています。
火相よし湯相よし、釜から湯気が上り、松風も聞こえ安堵しました。
三人の先輩が見守る中、いつもより少し緊張して点前をはじめました。
灯りの暗さがほどよく、亭主も客も次第に点前に集中していって、
一体となる様な静寂の中で、濃茶を一心に練り、お出ししました。
「お服加減はいかかでしょうか?」
「大変おいしゅうございます・・・」
・・・ふうっ~と、緊張が解けていきました。
茶銘は「青雲」一保堂詰、菓子銘「錦秋」のきんとんは自製です。
茶碗は赤楽・銘「玉三郎」、佐渡無明異焼・渡辺陶生造です。
続いてお薄を差し上げました。
座布団の代わりに茶友Kさん直伝の手作りの椅子をお出しして、
ゆっくりくつろいで頂きました・・もっと早くにお薦めすべきだったかも。
少しでも長くお茶を楽しむためには膝や足腰の無理は禁物なので、
閑座や椅子をおすすめするように心掛けているのですが。
炉の続き薄茶は半年ぶりで新鮮でした。
ベテランの優しいお客さまなので
安心して会話しながら愉しい薄茶の時間を過ごしました。
後でMさまから
「ご亭主が楽しそうで、それが伝わって愉しいお茶でした・・・」
・・・そうなんです。
茶事をやれることの幸せがたぶん溢れ出ていたのだと思います。
これも遠路お出ましくださった先輩方のお蔭と感謝です。
(山科・毘沙門堂にて)
後日、Hさまから素敵な便りが届き、
阿仏尼の十六夜日記の発端となった細川荘がお近くにあるそうで、
次のような歌を教えてくださいました。
南淵の細川山の時雨なる
まゆみの栬(もみじ)今盛りかも
・・・再び茶事の余韻に浸りながら、紅葉と南天の実で真っ赤になった
灑雪庵の小さな庭を眺め暮しています。
晩秋の夕ざりの茶事-1へ戻る
玄関に設えた腰掛待合へ中立をして頂きました。
陽が落ちて真っ暗な待合には灯りをいくつか用意しました。
露地行灯、手燭、そしてHさま手づくりのランプも・・・。
(クリックすると大きくなります)
後入の鳴り物にはじめて喚鐘を使いました。
2週間ほど、毎日1回打ってみたのですが、
強弱をつけるのが難しく、なかなか風情のある音が出せません。
「大・・・・小・・・中・・中・・・・大」
それでも、暗闇に響く喚鐘は後座への案内役にぴったりでした。
雨の正午の茶事にも喚鐘を使ってみたいです。
後座の床には
「応無処住 而生吾心」(足立泰道和尚筆)を掛けました。
友人のご主人黒河氏が造ってくださった燭台を添えて・・・。
座が鎮まるのを襖の外で座して待ちます・・・緊張感溢れるひと時。
襖を開け、茶碗を運びだし、次いで建水と手燭を持って入りました。
南蛮人燭台と手燭の灯りが四畳半の茶室を照らしだしています。
火相よし湯相よし、釜から湯気が上り、松風も聞こえ安堵しました。
三人の先輩が見守る中、いつもより少し緊張して点前をはじめました。
灯りの暗さがほどよく、亭主も客も次第に点前に集中していって、
一体となる様な静寂の中で、濃茶を一心に練り、お出ししました。
「お服加減はいかかでしょうか?」
「大変おいしゅうございます・・・」
・・・ふうっ~と、緊張が解けていきました。
茶銘は「青雲」一保堂詰、菓子銘「錦秋」のきんとんは自製です。
茶碗は赤楽・銘「玉三郎」、佐渡無明異焼・渡辺陶生造です。
続いてお薄を差し上げました。
座布団の代わりに茶友Kさん直伝の手作りの椅子をお出しして、
ゆっくりくつろいで頂きました・・もっと早くにお薦めすべきだったかも。
少しでも長くお茶を楽しむためには膝や足腰の無理は禁物なので、
閑座や椅子をおすすめするように心掛けているのですが。
炉の続き薄茶は半年ぶりで新鮮でした。
ベテランの優しいお客さまなので
安心して会話しながら愉しい薄茶の時間を過ごしました。
後でMさまから
「ご亭主が楽しそうで、それが伝わって愉しいお茶でした・・・」
・・・そうなんです。
茶事をやれることの幸せがたぶん溢れ出ていたのだと思います。
これも遠路お出ましくださった先輩方のお蔭と感謝です。
(山科・毘沙門堂にて)
後日、Hさまから素敵な便りが届き、
阿仏尼の十六夜日記の発端となった細川荘がお近くにあるそうで、
次のような歌を教えてくださいました。
南淵の細川山の時雨なる
まゆみの栬(もみじ)今盛りかも
・・・再び茶事の余韻に浸りながら、紅葉と南天の実で真っ赤になった
灑雪庵の小さな庭を眺め暮しています。
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