暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

灑雪庵・秋の茶会-1

2013年11月05日 | 茶事  京都編
                  左京区吉田山にて

11月2日は灑雪庵・秋の茶会でした。
茶会は京都へ来る直前の長屋門ひな祭り茶会以来久しぶりで、
大変でしたけれど新鮮でした。

大変だったのは体調管理で、あちこちに赤ランプがでました。
それで、無理せず(できず?)茶友Yさまに半東をお願いしました。
心強い助っ人なので、安心して茶席へ入ることができ、
お客さまと愉しくひと時を過ごせて幸せでした・・・。

さて、肝心の秋の茶会ですが、何から書こうかしら。
まだ茶会の最中のような、夢の中の出来事のような・・・。

立冬(今年は11月7日)までの1週間が名残りの茶事のベスト期間・・・
とS先生から伺っていたので、迷わず風炉の名残りとしました。
風炉を中置に据え、灰形は初めて向山に挑戦してみました。
藤灰を頂に撒き初冠雪として、お客さまをお迎えしました。

第一席目は五名さま、正客のHさまは社中の先輩です。
次客のBさまは神戸市、三客のSさまは東京都武蔵野市、
四客のTさまは大阪市、詰のYさまは洲本市からお出まし頂き、
遠来のお客さまとドキドキしながら御目文字の挨拶を交わしました。

             

     奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の
        聲聞くときぞ秋は悲しき    詠み人知らず

待合に「春日野」という題の笠松紫浪作の版画を掛けました。
鹿の群れに雪が降りそそいでいます。奥山では早や初雪でしょうか。

床の掛物は金剛経の一節、
「応無処住 而生吾心」
読み下しは、
「まさに住するところを無くして しかもその心を生ずべし」
心をとらわれることなく、あるがままに自由自在にその心を向けよ。
足立泰道老師筆、横浜三溪園の茶会の折に書いて頂いたお軸です。
大好きな禅語ですが、いつも厳しく心の中の在り様を問われます。

            

香の十徳(伝・一休宗純作)の中に
  感格鬼神 清浄身心 (霊魂や神と感応をし、心や身体を清める)
とあり、心身を浄め、香を聞きながら主客の心を一つにする
・・・そんなことを願って香から始めることにしました。
Hさまに香を焚いて頂き、皆で廻しゆっくり聞きました。
香は伽羅、香銘は「奥山に・・・」の歌より「小牡鹿(さおしか)」です。

次は花所望です。
申し合わせでTさまが矢筈ススキ、桔梗、黄色の小菊を白薬花入へ生けると、
秋の名残りの風情が部屋いっぱいに溢れました。

            

「炭を置かせて頂きます」
中置の初炭手前です。
香合を拝見に出した後、釜を戻し、風炉中を拝見して頂きましたが、
もっと灯りを暗くしたい・・・と冷や汗ものでした。
香合は仙台市松島湾の埋もれ木で造られた「瑞巌寺晩鐘」、
香はつけぼし香。

菓子を縁高でお出ししました。
麓から山頂にかけて緑・黄・紅葉に彩られた菓子で、
銘は「奥山」(自家製)です(写真を撮り忘れました・・・)。
中の栗餡が甘すぎてお口に合うか不安でしたが、
「大きさも柔らかさも程よく、美味しいです!」
(ふぅ~よかった・・・)
                               

           灑雪庵・秋の茶会ー2へつづく



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