暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

岡山・クリスマスの茶事-1 

2013年12月26日 | 思い出の茶事  京都編
            
           京都駅と京都タワー(行きと帰りにパチリ)

12月23日、クリスマスの茶事にお招き頂き、京都駅から岡山へ向かいました。

ご亭主のYさまは某家庭茶事の会の会員で、岡山市在住です。
今年2月、雪の夕去りの茶事へ茶友Sさまとご来庵頂いた時、
時間が足りず、所望していたSさまの〇〇が宿題になっていました。
YさまとSさまはそのことを忘れずにいてくださって、
家庭茶事の会の先輩方4名さまとともにお招きくださったのでした。 

ご亭主はYさま、水屋はSさまとお仲間のTさまが担当、
そして席はSさま宅でした。
素敵なS邸ですが、茶事のための工夫や試行錯誤のアレコレを体験し、
参考にするのが一同の楽しみでもあります。

玄関の上がり口に電気カーペットが敷かれ、待合になっていました。
ペインティングや壁掛けなど、手づくりのクリスマスグッズが飾られ、
早や雰囲気満点です。

「歳月不待人  宗興」
の色紙が掛けられていました。
年末にこの語句を拝見すると、我が身を省みて胸キュンとなります。

拍子木のような竹2本の鳴り物が”good idea!”
「お支度が整いましたら鳴らしてください」
とメモがあり、詰のYさまが5回打ち鳴らしました。

           

玄関内に椅子が5つ用意されていて、
「今日は寒いので腰掛待合をこちらにいたしました。
 白湯を召し上がりましたら、こちらでお待ちください」とご亭主。

玄関から景色を眺めると、稲の切株が残る田んぼが遠くまで続き、
稲叢が数個積まれ、働く人も見えます。
稲わらを焼いている煙が白く上がっていて、懐かしい風景でした。

備前大鉢の立ち蹲で身を浄め、八畳の広間へ席入りしました。
長方形の炬燵が取り払われ、正座ができないSさまのために足を入れて
腰掛けられるようになっていて、はめられた中板が役に立ちそうです。

床にお軸ではなく花が生けてありました。
なにかご趣向があるのかもしれませんね。
山帰来の真っ赤な実と白椿、クリスマスカラーが映えています。
花入は信楽の旅枕。
炉には大講堂釜と鋳込まれた、大きな釜が掛けられています。

           
           山帰来の実 (季節の花300提供)

ご亭主と挨拶を交わしましたが、
私のリクエストを忘れずに、茶事へお招き頂いた感激とお礼を
きちんとお伝えできたかしら・・?

「本来は初炭ですが、都合により懐石にいたします」とご亭主。

向付はカルパッチョ(サーモン、鯛、ベビーリーフ、パブリカ)、
ジノリの白い皿に美味しく映えていました。
煮物椀のカニ真蒸が美しく、柔らかく、味良くシンプルな中身が、
開けた途端「あっ!」と一斉に声が出た、華麗な椀にぴったり。

厚いサワラの幽庵焼、旬の野菜と鳥の炊合せがお好みの器で次々と。
(次々とはなかなか出せないので、好いなぁ~!)
箸洗のキュウインは酸味がさわやかで、早速使ってみたいです。

SさまとTさまが料理を担当されたそうですが、
どれも美味しく、ヒントと刺激をたくさん頂戴しました。
息の合ったタイミングに三人のチームワークの好さが伺え、
嬉しゅうございました。
                             

        岡山・クリスマスの茶事-2へつづく