暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

真如堂の菩提樹が満開

2013年06月12日 | 京暮らし 日常編

午後の散歩に近衛坂から裏道を抜け、真如堂へ行きました。
近衛坂は、吉田山から近衛通りへ通じる坂道で、
おどろおどろした古道の面影を色濃く残しています。

            
                  雨待ち顔のあじさい

            
                  おどろおどろの近衛坂

            
              近衛坂の途中に祀られている、
              おびただしい数のお地蔵さま       

真如堂は、紅葉の名所として有名ですが、青葉茂れる今頃は
いつ行っても人の訪れが少なく、静かなお寺です。
朱塗りの門をくぐり抜けて石段を進んで行くとき、
青楓に彩られた額縁の中に真如堂と石灯籠がだんだん近づいて来ます。

            

            

大きな菩提樹が本堂正面にあり、小さな黄色い花を房状につけています。
「菩提樹開花6月7日」と書かれた看板があり、
よく見ると、大木がすべて花におおわれていて、満開でした!

真如堂の解説によると、
   菩提樹は、仏教三聖木の一つで、
   この木の下でお釈迦様が悟りを開かれたとされています。
   「菩提」は「正しい悟りの智」を意味する「ボーディ」を音写したものです。
   インドの菩提樹はクワ科ですが、真如堂をはじめ日本の寺院に植えられている
   菩提樹はシナノキ科で、両者は異なる種類です。
   仏教が中国に伝わった時、中国では菩提樹が育たなかったので、
   よく似た木を菩提樹とし、日本には12世紀にもたらされました。

インドの菩提樹とは種類が違うようですが、
真如堂のは見事な大樹で、枝をのびのびと周囲に伸ばしています。
聖なる木として大切にされていたことでしょう。

            

            

            
                 甘く上品な香りが・・・

木の陰に入ると、花の香りが漂ってきました。
甘く上品で繊細な香りです。

数少ない参詣者からお声が掛かりました。
「花期が短いそうで、満開の菩提樹に逢えたのはラッキーでした。 
 ほのかですが、佳い香りですね。
 夕方になると少し匂いがきつくなるそうです・・・」

花が終わるとすぐに実を結び、秋になると茶色く熟します。
真如堂では「実が2つ以上ついているものを財布に入れておくと
お金が貯まる」という言い伝えがあるとか。
手元不如意なので、秋に必ずゲットしなくっちゃ!

            
                  静かな哲学の道

真如堂から哲学の道をぶらつきました。
なぜか、口ずさむ歌はシューベルトの「菩提樹」、
ところどころ忘れていましたけれど・・・。

   泉に添いて 茂る菩提樹
   したいゆきては うまし夢見つ
   みきには彫(え)りぬ ゆかし言葉
   うれし悲しに といしそのかげ  といしそのかげ

哲学の道ではそろそろ蛍が乱舞する頃です。