暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

大文字山へ 茶事のクールダウン

2013年06月08日 | 京暮らし 日常編
初風炉の茶事の翌日、ぶらぶらしていると、
「お疲れのようだけど、大文字山へ登ってみないか・・・」
茶事後のクールダウンが必要なのを見抜いたダンナの一言。

それで、6月4日に初めて大文字山(標高466m)へ登ることにしました。
大文字山は左京区にあり、8月16日に行われる五山送り火が有名で、
「大」の字の火床が山腹にあります。

頂上でお昼になるので、おにぎり4個、たくわん、水筒を用意しました。
疲れたときの甘味に緑寿庵清水の金平糖をポケットに入れ、10時出発です。
目指すは「谷の御所 霊願寺」、ここから坂道がきつくなりました。

             

             

坂の途中で振り返ると、京都の市街地がだんだん下に見えます。
大文字山への道は道標があっても、枝分かれしていて迷いやすく、
鬱蒼とした杉林の中を黙々と登って行きました。

「ちょうど四国遍路の焼山寺へ行く遍路道みたいだね」
「わたしもそう思っていたところ、
 こんな近くに遍路道があるなんて・・・吉田山に続いて二つ目ね」
二人とも時期は違いますが、四国遍路(歩き)をしているので
同じことを考えていました。

ひたすら登って行くと、人が住んでいた形跡のある場所へ出ました。
石碑が2つ建っていて、「俊寛僧都忠誠之碑」と読めました。
平家打倒の密謀が行われた鹿ケ谷山荘跡のようです。
さらに、小さな流れを越えて、谷の斜面を登り切ると尾根道へ出ました。

             
          鬱蒼とした杉林           俊寛僧都忠誠之碑

下りてきた男性に道を尋ねると、
「あと5分も登れば大文字山の頂上です。
 景色がとてもよく、みなさん、そこでお昼を食べていますよ。
 こちら(反対側)へ行くと大文字の火床のてっぺんに出ます」

              
                     山頂からの眺め
大文字山山頂へ12時10分に到着です。
山頂からの眺めは素晴らしく、京都市街地、御所、京都駅、山科地区、
大山崎、愛宕山の山並みがはっきり見えました。
ほぼ毎日一人で登って来るという七十代の女性に出会い、
いろいろ魅力的な登山コースがあることを教わりました。

おにぎりを頬張りながら辺りを見まわすと、たくさんのグループがいて、
常連さんも多いことがわかります。
同年輩が多いことに触発されて
「毎日は無理だけど毎週火曜日に登らない?」
「・・・・」

               
                     頂上で憩う人たち
                         
                     大の字のてっぺん部分の火床

最初の計画通り、大文字の火床を見て、銀閣寺へ下りることにしました。
大文字の火床からの眺めは絶景でした。
急斜面の長い階段を下りていくと、
ふんわりとハングライダーで飛んでいるような景色と気分を味わえます。
「この感じが好いわねェ~また来ましょうよ」と思わず叫んでいました。

               
               火床を横目で見ながら絶景を下る
                        

銀閣寺へ下りる道は階段が多く、登りはかなりきつそうです。
階段のない霊願寺道を選択して大正解でした。

下山してから甘味処・喜み家(豆かんが有名)へ寄り、
かき氷(みぞれ)と、私はクリームあんみつを食べ、帰宅しました。
素晴らしいクールダウンの一日、これで前へ進めます。