暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

逆勝手と大炉

2011年02月08日 | 稽古忘備録
2月最初の先生宅の稽古は逆勝手と大炉でした。
床には大津絵・鬼の寒念仏の色紙が掛けられています。
水屋がすっかり変わっていて、いつもは閉まっている火頭口が茶道口になっています。

逆勝手の初炭からご指導頂きました。
炭をいつもと逆に組み、羽根は右羽根(風炉用)です。
足運びは本勝手と逆になり、
客付の足で越すように身体を動かせばよいのですが、
つい頭で「左・・右・・」と考えてしまいます。

炭斗は炉の左側(勝手付)に置きますが、
ほんのちょっと炭斗の位置が変わっただけなのに
丸管と割管、さらに枝炭を掴むのに苦労しました。
「角度を考えて、横からではなくなるべく正面から持つと好いですよ」と先生。
家でも逆勝手の炭を稽古をしなきゃ・・・と思いました。

Kさんが逆勝手薄茶点前を筒茶碗でしました。
筒茶碗から絞り茶巾を出して釜の蓋上に置き、湯を汲んでから茶筅を入れて
そのまま置いて茶碗を温めます。
その間に絞り茶巾を畳みかえて蓋上へ戻します。
茶筅通しをして湯を建水へ捨てます。

茶巾を人差し指と中指の二本でつまみ、茶椀の内底を「い」「り」と拭いたあとに、
茶巾を右膝上で茶碗へ掛け、茶碗を拭きます。
拭き終わると、茶巾で縁を持ったまま茶碗を右片手で正面へ置きます。
茶巾を抜き取り、畳んで蓋置の上へ戻します。

「そこで茶巾を畳むときは左手にのせずに
 指先だけで畳んでみてください。このようにして・・」とご指導がありました。
Kさんがやり直すと、見違えるように美しい所作になりました。

                

筒茶碗は、縦のヘラ目に白い釉薬が雪のようにかかる赤楽です。
熱い薄茶をゆっくりと頂戴しました。
あとで伺うと、光悦写しで銘「雪片」だそうです。

それから、私は逆勝手で濃茶点前を見て頂き、午後は大炉の稽古になりました。
炉に延長して大炉の寸法の一尺八寸(54.5センチ)を測り、
ガムテープを貼って大炉が出来上がりです。

大炉の左上角に湿し灰に灰匙をさした灰器が置かれました。
大炉の初炭手前はKさんです。
大炉の炭手前はめったにできませんが、雪輪瓦や大釜が厳冬の風情を増し、
とくに焙烙を使う後炭手前が大好きです。

大炉では初炭も後炭も羽箒の掃き方は同じで、
初掃き10、中掃き6、後掃き6とのことでした。
続いて、大炉で私が筒茶碗、Kさんが濃茶点前を見て頂きました。

先生を見習って、私も家に帰ったら、大炉をガムテープで作って
茶事に添って稽古してみよう・・・と思ったことでした。