暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

行之行・台子点前の稽古

2011年02月21日 | 稽古忘備録
毎月1回、相伝の稽古があります。
12月に続き、行之行・台子点前をご指導頂きました。
Kさんが2月24日から行われる冬期講習会へ参加するので
出発前の最終稽古にもう一度と、お願いしたのでした。

昨年の夏期講習会は4日間で四ヶ伝まででしたが、
今回の冬期講習会は5日間で行之行・台子点前までだそうです。
私は相伝がなかったので楽でしたが、折角の機会でしたので
今一つ物足りない気がしたのも事実です。
ですから、5日間で行之行台子までというのは大いに納得です。

床のお軸は、前大徳 悦道師の筆で
「梅花和雪香」(ばいか ゆきにわして かんばし)
雪柳と雪起こしが薩摩焼の詫びた花入にいけられていました。
雪起こしは、別名クリスマスローズ、寒芍薬ともいい、今は雪起こしがぴったり。
寒さに強く、冬枯れの大地で雪を持ち上げて花を咲かせる、
けなげな力持ちです ・・・まるでKさんみたい。

                

最初の台子の初炭手前はKさんです。
台子の上、中央に唐物茶入が乗った八卦盆を荘り、
左上前側に香合と羽箒を荘ります。
初釜の茶事でさせて頂いたばかりですので、その時のことを
思い出しながら拝見しました。
飾り火箸はオシドリの頭です。
台子左横へ置くときの向きが気になりました。

香合は、白磁の雪輪で、真ん中に渦が書かれています。
気高さとともに雪のエネルギーを感じて、雪が降りそうな予感です。
・・・案の定、その日は夜半から雪になりました。

四畳半なので座掃きがありました。
座掃きの後、襖を閉め、再び開けて、炉正面へ座り、
帛紗を捌いて真塗炉縁を浄め、
帛紗を捌き直して、釜の蓋を浄めてから切ります。

               

初炭に続いてKさんに本番(?)と思って行之行を先にして頂きました。
私は安心して、いつものようにうっとりとKさんの点前を拝見していました。
でも先生は違います。
何一つ見落としがないように真剣勝負の態でした。

相伝ですのであれこれ細かく書けないのが、残念です。
Kさんも私もいろいろ悩みながら自分なりの研鑽を重ねて講習会へ臨むのですが、
先生の熱意や真剣さが力強く、あたたかく後押しをしてくれました。
その姿勢にいつも頭が下がる思いでいます。
充実した稽古ができることに二人とも深く感謝しています。

Kさん、冬期講習会、陰ながら応援しています!
精一杯、学び、素晴らしい体験をしてきてください。

        

   写真は上から、「夏期講習会で頂いた扇子」
             「雪起こし」(別名:クリスマスローズ、寒芍薬) (季節の花300提供)
             「雪起こし」(季節の花300提供)