暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

何百回の稽古 -渡辺正幸さん-

2009年09月16日 | 茶道楽
テレビを真面目に観ることが少なくなりました。

9月12日(土)の「日めくりタイムトラベル~昭和55年~」で、
タレントの渡辺正幸さんがテレビに初登場した当時の映像を見ながら
話しています。

  「この時は凄く緊張していて、自分で何をしゃべって
  何をやっているのか、ほとんどわからない状態でした。
  それでも台詞やアクションは、もう何百回と稽古しているので
  あがっていても台詞を口にすると次々と反射的に出てくるんです。」

このお話を聞いて「ハッ」とし、昔のことを思い出しました。

百名近い教授陣を前に、博士号の論文発表をしたときのことです。
指導教授のT先生から次のようなご指導をいただきました。
「論文発表は30分です。最低100回は練習してください・・」

審査会の日が決まり、その日まで1ヶ月ほどでした。
先生のご指導に応えるべく、カレンダーに正の字をつけながら
100回以上をめざし、練習を繰り返しました。

審査会の当日、T先生から
「人数の都合で、発表時間20分、質疑応答10分になりました」
「エッ~」と一瞬驚きました。発表まで1時間もあったでしょうか?
話す内容を10分短縮しなくてはいけません。
                            

でも、100回以上練習したお蔭で再編集もすぐに決まり、
混乱せずに発表と質疑応答を終えることができました。
T先生は素晴らしいご指導をしてくださったのです。
今でも深く感謝しています。

渡辺正幸さんの「何百回と稽古している」の持つ意味が
実感として心に入ってきました。
芸能、論文発表、茶の湯の稽古でも基本は同じだと思いました。

繰り返しの稽古、それも半端ではない数をこなすことで
身に付く確かなものがあると思っています。

短時間でも毎日お茶の稽古をするのが良さそうですが・・・。
昔は真面目だったなぁ~。

「○○しながら」のテレビですが、毎日、真面目に観ようかしら?

                            

   写真は、「飯山観音(厚木市)のイヌマキ」です。
          樹齢は約400年だそうです。