暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

横浜開港150周年を祝う茶事を終えて

2009年09月23日 | 茶事
最後の「横浜開港150周年を祝う茶事」を終えました。
6月に2回、7月に1回、そして今回の9月20日の計4回、
私としては珍しくロングランの茶事でした。

今回のお客さまは翆晶庵・横山和子さんのお客さまで、
亭主の私は初対面の方がほとんどです。
大事なお客さまに失礼なく楽しく過ごしていただきたいと、
半東のHさんと少し緊張しました。

無事黒船に乗船し、横山さんの美味しい懐石料理を
フォスターの名曲を聞きながら
ワインとともに味わって頂きました。
「私たち、とってもシアワセねぇ~」
「まるでアメリカにいるみたい・・」
という声が聞こえて一先ず安堵しました。

           

初炭を終え、主菓子の栗入りプディング「黎明」をお出しすると、
今日の主役、生粋のハマッコ・横山和子の登場です。

集められた資料を片手に当時の船上料理やアレンジした
懐石料理、そして横浜開港への想いをお話しています。
横山さんの登場を待ちに待っていたお客さまなので、
質問や応答がにぎやかで、横山さんもとても嬉しそうでした。

火相、湯相も決まり、後座では松風が
薄暗い船室で心地よく聞こえていました。
蝋燭の火の元での濃茶点前は、主客ともに集中し
大好きな時間です。

お気に入りの井戸茶碗で濃茶を練りました。
「大変美味しくいただいています」
亭主はほっとして客付きにまわり、
「先ほどはデッキで懐石を召し上がっていただきましたが、
 午後になって風が出てまいりましたので、
 船室の方へお移りいただきました」
と、部屋が暗く蝋燭の灯火の訳をお話しました。

茶銘、菓子、花、茶碗、開港にまつわる話などを
正客や連客と交わします。
このへんになると、正客だけではなく皆さまから
いろいろお話がでて座がくつろいで楽しくなります。
濃茶が出たあとなので、私はいつも大歓迎で嬉しいです。

薄茶も和やかに終わり、いよいよ最後のご挨拶です。
四回に渡る「横浜開港150周年を祝う茶事」が
これにて終了と思うと・・・感無量でした。

お客さま、半東さんのKさん、K君、Hさん、
水屋のNさん、そして横山さん、
皆さまとの一座建立の一会一会でした。
この場をお借りして、心より御礼申しあげます。
ありがとうございました!!

感激の余り、またお茶事をしたくなりました。
困った病気?です。

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   写真は、足立泰堂老師筆の「水上青々翆」と、
        海老真蒸の煮物碗です。