鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

米トランプ大統領の悪政で一体、世界はどうなるのかと暗澹とさせられた。そのトランプにポチのように従う安部首相は全く恥ずかしい

2019-01-05 | Weblog

 年末年始休の間に米トランプ大統領の政権の真実を描いた米ピューリッツア賞受賞ノボブ・ウッドワード記者が書いた「恐怖の男」(日本経済新聞社刊)を読んだ。年末年始の株価の乱高下をもたらした張本人である米トランプ大統領の政権運営ぶりがあからさまに描かれている。サブタイトルに「ここはすべてが狂っている」とあるように、周りを支えるほとんどの長官、スタッフが一様に「トランプ大統領は中学生以下の能力しか持ち合わせていない」とこきおろし、「逃げ口上、否認、問題点をぼかす、フェイクニュースだと叫ぶ、いわれのない非難にすぐ憤激するのが常道だ」と言い放あtれているのには驚かされた。こんな人を大国、米国のリーダーに抱いているわれわれは一体どうしたらいいのだろうか、つくづく考えさせられる。

 「恐怖の男」はトランプが2016年の大統領選で選出される前から共和党内でトランプを大統領候補に担ぎ出そうとした政治家の取り巻きが大統領選の前からトランプに候補として勝てるような作戦を授ける場面から説き起こされている。過去の大統領と同じように教育されながら、栄冠を勝ち取っていくようにみえるが、トランプの場合はあたかも教えてもらっともそれを成長の糧として自らを鍛えていくような面がまず見られなかったようで、人の意見を聞かないとか、平気で嘘をつくといった点はそのまま持ち越されて大統領になってしまったようだ。取り巻きはとにかく大統領選を勝ち抜くことだけで策を講じ、人間的な成長を成し遂げるという側面は二の次となってしまった。

 だから大統領になってもビジネスマンとしてやってきた同じビヘイビアのまま大統領職に就いてしまった。長官を次から次へと辞めさせたり、気に入らないスタッフをすぐに首にしたり、言ったことを忘れてしまったり、思い付きで物事を決めたりして、周囲を驚かせたりしておよそ大統領としてありえないようなことをしでかし、周りをやきもきさせる。新聞で見かけるレックス・ティラーソン国務長官や、マイク・ポンぺオCIA長官、マイケル・フリン大統領補佐官らとのやりとりが生々しく描かれているのは興味深い。

 米国でこの本が発売されたのは昨年前半だったので、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長との歴史的会談は描かれていないが、その前に韓国から米軍が撤退すべきだ、とトランプが主張し、それを周りが必死になって止めたこと、それにトランプ大統領はアフガニスタンからも米軍が撤退するべきだ、と主張してダダをこねたことが赤裸々に描かれている。トランプ大統領がそういうのは専ら経費の問題で、駐留の国際的な意義については全く理解しようとしないし、わかっていない。米国のホワイトハウスの意思決定がかく行われているとしたら、今後、世界は一体どうなるのか、と全く暗澹たる気持ちになってくる。

 総ページ数500に及ぶ本のなかで日本の名前が登場するのはわずか2か所しかないのにも驚かされた。429ページで米軍の韓国からの撤退を述べたくだりで、「駐留の意義は韓国と日本を防衛する手段である」と言及しているのと、478ページのサイバー問題に触れ、「1980年代に日本と貿易摩擦があった」としているだけで、およそ本質的な場面ではない。日本ではトランプ大統領の就任前に真っ先にお祝いを兼ねて安部首相がトランプタワーにはせ参じたことが大々的に取り上げられ、その後も安部首相がトランプ大統領と友好的に会談している姿が報じられているが、ホワイトハウス内では全く無視され、韓国のついでにしか話題に上っていないことがはっきりとした。安部首相はトランプ大統領のポチでしかないこともこれで明白に裏付けられた。

 

 

 

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