WALKER’S 

歩く男の日日

2日目 (1) 大山寺のワンコ

2008-05-25 | 08年四国の旅
 2日目からいきなり40kmを歩かねばならないので、6時10分前に宿を出発。予報に反して曇り空でやや肌寒い。でもこのくらいの天候が歩くのには最適。4番大日寺までは5.6km、愛染院の手前の山際の細い道が昔の雰囲気が残っていて大好きな遍路道です。足取りも軽く、昨年より2分早い53分で到着。でも、その理由ははっきりしている、昨年は2日目まで片手に荷物を持ちながら歩いていた。だから、脚力が増したと言うことではない。5番地蔵寺までの1.8kmも1分早い15分で到着、特に力を入れて歩いているわけでもない。
 そして、いよいよ別格1番大山寺へ向かう。初めての道、しかも山道なのでかなりの緊張感がある。地図には載っていないショートカットの山道があって、そこが本当に歩けるのかどうかも気に掛かるところ、この道が歩ければ900m短くなる。地蔵寺を出て2km地点にある神宅小学校の前の分岐点は無事通過、そのあとの右へ折れる三叉路は遍路標識が全くなく、首を傾げながら右折する。次の交差点に大山寺の看板が出ていたので一安心。そのあとは、山道への入り口にもちゃんと遍路標識があったし、地図に載っていないショートカットの山道の入り口にも標識がありました。最後に出てきた自動車道を反対側に行ってしまったけれど、すぐに気がついたので事なきを得ました。山門に到着したのは地蔵寺から1時間11分、5.6kmの道のりだけど標高400mだから、よく頑張った方だと思う。
 大山寺の山門をくぐると見たこともない風景が眼前に飛び込んできました。思わずその場に立ちつくすしかありません。すごいとしか言いようがない。写真にも撮ったけど、そのすごさの百分の一も捉えることはできなかった。お参りを済ませ納経所に行くと、入り口の前にワンコが寝ていた。眠ってはいないようだけど微動だにしない、まさに狛犬のような感じ。納経所に人はいなかったのでチャイムを押す。すぐにめがねを掛けた住職が出てきてくれた。今日はどこからですか、と訊かれたので、3番の近くの民宿を6時に出ました、と答える。それは早いねえ、といたく感心した様子。ここら辺の人は昔は10カ所参りといって、1番から10番までを1日でお参りすることがよく行われたそうです。今日はどこまで、とさらに訊かれたので、藤井寺までです、と答えると、ヘェ~、とさらに大きな声を上げて驚かれる。記帳が終わって、納経所内の椅子に座って休憩していると、住職が、お茶でも入れましょうか、と思いがけないお言葉。もちろんありがたくいただく。汗をかいたので体が冷えかけていたところ。出てきたのは熱いお茶だけでなく、バターどらやきもお盆に乗っていた。最初の納経所でこんなお接待を受けるなんて思ってもいなかった。本当にありがたい。