万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日韓慰安婦合意は反故にされたのでは?ー事実のみが真の歴史を語る

2016年10月24日 15時25分56秒 | 国際政治
慰安婦像設置は残念=菅官房長官
 上海市の大学の構内において、中国では初めてとなる慰安婦像が設置されたそうです。アメリカ国内の慰安婦像とは違い、韓国人少女の隣に中国人少女を配した構図であり、中韓共闘の姿勢が伺えます。

 昨年末の日韓慰安婦合意では、日韓両国とも国際社会において相手国を批判する行動は控える旨で合意しており、この合意からしますと、中国における慰安婦像の設置は合意内容に反しています。韓国政府としては、民間団体の慰安婦設置活動には介入できないとする立場なのでしょうが、少なくとも、韓国政府は、自国の活動団体に対して自粛を求めると共に、上海市に対して日韓合意を根拠に中止を申し入れることはできたはずです。ドイツのフライブルク市における慰安婦像設置計画は、姉妹都市の松山市等をはじめとした日本国側の抗議によって寸前に阻止されましたが、韓国側は、海外における慰安婦像設置活動を放任、あるいは、黙認しているのです。その一方で、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦像さえ撤去されていないにも拘わらず、日本国政府は、既に10億円を元慰安婦に対する支援に拠出しております。これでは、律儀に合意を順守した日本側が”お金”だけを巻き上げられてしまった格好となり、国内世論も納得しません。日韓慰安婦合意は、事実上、韓国側によって反故にされているのです。

 菅官房長官は、上海における慰安婦像設置に対して”残念”と語るのみであり、積極的な対応策を打ち出してはおりません。慰安婦問題の実像とは、当事の日本国政府、並びに、日本軍による強制連行ではなく、一部の日本軍将兵による軍規違反があったにせよ、民間事業者(主として朝鮮半島並びに満州地域における朝鮮人業者や犯罪組織…)による犯罪の結果なのですから、日本国政府もこの問題の原点に帰り、歴史実証主義を基本方針として戦略の見直しに着手すべきです。事実のみが真の歴史を語るのですから。

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コメント (2)
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