万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

東京五輪ボート韓国開催の不思議ー誰の意向?

2016年10月18日 15時09分32秒 | 国際政治
ボート、韓国開催も検討 IOC、現計画で困難なら
 東京オリンピックの開催費用が3兆円を超えるとする試算から、目下、東京都では、費用の圧縮作業が進められております。その一環として、ボート競技の会場を宮城県等の地方に移す案が浮上していましたが、小池知事とIOCのバッハ会長との会談を前にして、IOC側が、現計画の「海の森」水上競技場での開催が難しい場合には、韓国での開催を提案する可能性があると報じられております。

 この提案、寝耳に水なのですが、一体、誰の発案なのでしょうか。日本国民は、2002年FIFAワールドカップにおける日韓共同開催の苦い経験から、韓国との共催には懲りております。この時、日本側は、韓国側のサッカー・スタジアム新設を資金面でバックアップしたにも拘わらず、”韓日ワールドカップ”のタイトルまで押し付けられています。しかも、韓国チームが審判買収が疑われる疑惑の判定で勝ち進んだため、史上最低のワールドカップという汚名まで残してしまいました。少なくとも日本国民の脳裏には、この時の悪夢が蘇るのです。

 それでは、韓国による発案であったのでしょうか。この提案は、日本国よりも韓国側により大きなメリットがあります。IOCが推薦している韓国の水上競技場は赤字経営が続いていると報じられておりますので、’東京オリンピック’の会場となれば、国際的な宣伝効果に加えて、観客動員による経済効果も期待できます。また、再来年に予定されている韓国開催の平昌冬季オリンピックの会場整備も、資金不足等から遅れがちであり、先に東京オリンピックでの一部種目の韓国開催が決まれば、自国開催のオリンピックの種目についても、日本側に”見返り”として会場引き受けを要求しやすくなります。韓国側には、経済効果と費用負担の両面において、一部開催を提案するだけの動機があるのです。

 そして、IOCからしますと、資金力と開催ノウハウを有する日本国を巻き込んだ方が、平昌オリンピックの失敗を回避することができます。あるいは、あくまでも「海の森」で実施したいIOCが、日本国内の世論を読んで、敢えて韓国開催案を持ち出した可能性もなきにしもあらずです(「海の森」がダメなら韓国に移すという圧力…)。いずれにしても、当提案は、IOCと韓国にのみメリットがあるのです。もっとも、韓国の国民世論は、絶対反対なのでしょうが…。

 東京オリンピックのみに限ってみれば、以上の推測が成り立つのですが、さらにその奥に重大な謎があるとしますと、それは、国民感情を無視して、日韓共同開催の方向に誘導したい勢力が存在していることです。この勢力は、日本国による韓国併合より以前に遡って、水面下に蠢いているようにも思えます。おそらく国際組織なのでしょうが、IOCがその勢力に近いところに位置しているとしますと、日本国民は、真の歴史を知るためにも、その正体を見極めなければならないと思うのです。

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コメント (5)
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