自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

膝通を克服して健康登山! 団塊世代に贈るLOHAS情報です。

人はどう死ぬのか  その9 がんで死ぬことの効用

2023-09-18 05:29:14 | 介護


ブログ読者の皆様はとっくにお気づきと思いますが、
ここ数週間にわたって介護や看取り関係の本を読んでいるのは、
私の夫が正に、腹膜播種という状態だからです。

治る当てのない状況を少しでも痛み少なく、安楽に過ごしてもらう!
この目的のために頑張っています。
この本の著者・久坂部医師はその方法と実状を非常に明快に
説いてくれています。

p.135 がんは治療さえしなければ、ある程度の死期がわかるので、
   それに向けて準備ができます。もう一度行きたいところ、
   会いたい人、食べたいもの、聴きたいもの、したいことを
   楽しみ、世話になった人にお礼を言い、迷惑をかけた人に
   謝り、(後略)

   己の来し方を振り返り、いろいろなことを思いだして、
   自己肯定したり、苦笑いしたり、感謝したり、自分をほめたり
   人生を慈しむ時間的な余裕もあります。

   あとは死ぬだけなのですから、何の努力も我慢も必要なく、
   自由気ままにすごせます。


   そのいぇ、超高齢の不如意、不自由、情けなさに直面する危険も
   確実に避けられます。
こんな安心なことはありません。

と、書いてありますが、内実は・・・・・不如意だらけです。
いえ、久坂部医師の言葉は「もし、病気が癌だけなら」事実なのでしょう。
でも夫の場合は腸閉塞があって、その治療をしないと悶絶の苦しみです。
小腸までイレウス管という4mもの管を通し、絶飲食のまま何週間も過ごす。
その間も絶え間ないお腹の痛みに苛まれます。

自分が最期のとき、どんな痛みに襲われるのかは、誰にも分かりません。
恐れすぎることなく、でも、やれる範囲の健康法は実行する。
もうちょっと何かしておけばよかった・・・・・と、後悔するのは避けたいです。
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人はどう死ぬのか  その8  人気二番目 老衰死

2023-09-17 05:53:25 | 介護


p.134 もう一つ、望ましい死に方として思い浮かぶのは老衰死でしょう。
   十分に長生きをして、最後は眠るように亡くなる。なんとなく
   安らかなイメージがあるでしょう。しかし、
   実際の老衰死はそんなに生やさしいものではありません。

   (著者が在宅医療で多くの老衰死の患者さんを看取った経験では)
   老衰死は死ぬまでが大変なのです。それまで元気でいて、
   急に衰えるわけではなく、死のかなり前から全身が衰えるわけではなく、
   死のかなり前から全身が衰え、不如意と不自由と惨めさに、長い間、
   耐えたあとでようやく楽になれるのです。

   視力も聴力も衰えますから、見たり聴いたりの楽しみはなく、
   味覚も落ちますから美味しいものを食べてもわからず、
   それどころか食べたら誤嚥して激しくむせ、誤嚥性肺炎の危険に
   さらされ、腰、膝、肘とあらゆる関節痛に耐え、寝たきりになり、
   下の世話はもちろん清拭や陰部洗浄、口腔ケアなどを受け、
   心不全と筋力低下でカラダは動かせず、呼吸も苦しく、言葉を発するのも
   無理というような状況にならないと、死ねないのが老衰死です。

p.135 (中略)みながみなそうなるわけではなく、なかには安らかに
   息を引き取る人もいるでしょう。しかし、その理想的な状況だけを
   イメージしていると、心の準備ができず、実勢の老衰がこんなに
   っ苦しいとはと、余計な嘆きに苛まれる危険性は大です。

105歳で亡くなった日野原重明先生の最期は、毎日毎日コンコンと
眠っていらしたそうです。果てしない夢を持ち続けた方なので、
やり残したことが残念でたまらなかったのか、どこか痛かったのか?
誰にも分かりません。
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人はどう死ぬのか  その7 人気の死因はポックリ死?

2023-09-16 05:40:55 | 介護


p.132 人気の1番は癌だけれど、これは消去法による選択のよう。
   
p.133 一般に、望ましい死に方としてイメージされるものに
   ポックリ氏があります。
   (中略)ポックリ死の可能性があるのは、
   心筋梗塞か脳梗塞、あるいはくも膜下出血などです。

   いずれも発作が起きたあとすぐ死ぬと思われているかも
   しれませんが、実際は発作と同時に意識を失うわけではない。
   心筋梗塞なら胸、脳梗塞やくも膜下出血なら頭に、
   激しい痛みを感じます。命を落とすくらいの痛みですから、
   激烈なと言ってもいいでしょう。(くも膜下出血では、
   金属バットで思い切り頭を殴られたような痛みとも言われる)

   その痛みを感じながら、これでもう死ぬのかとリアルに意識
   しなければならないのです。それがどのくらい続くかは人に
   よりますが、取り返しのつかない思いに背筋を凍らせ、
   深い悔い、気がかり、恐怖と悲しみが一気に湧き上がり、
   それでもどうにもできず、死神の手に拉致されるままになるのが
   ポックリ死です。

   当然、ゆっくりと人生を振り返る余裕はなく、
   覚悟を決める間もなく、狼狽しつつ亡くなるのです


   さらに、ポックリ死は突然の死ですから、死後の準備ができていません。
   恥ずかしいことや隠しておきたいこともそのまま、しておかなければ
   ならないこともできず、・・・・・

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人はどう死ぬのか  その6  死の苦しみを軽減する方法

2023-09-15 07:06:45 | 生き方


私は「死ぬのは怖いか?」という質問には「ノー」と言えます。
父や母、そして多くの友人・知人の訃報が多くなる年齢なので、
死は「誰にでも訪れる、当たり前のイベント」と捉えられます。

でも、眠るように安らかに逝けるのか、
痛みに悶え苦しんで死ぬのかを考えると、そりゃあ
安らかに逝きたいです。だから色々勉強しているわけです。

p.99 よく、「いつ死んでもいいけれど、死ぬときに苦しむのはだけはゴメンだ」
   と言う人がいますが、私の経験上、苦しみたくないと思っている人ほど
   苦しむというのが人の死だと思います。

   なぜそうなるか。苦しみ以外にも、痛みや痒みがそうですが、
   不快な症状は拒絶すればするほど強くなります。
   受け入れる気持ちになったほうが、軽く感じられます。

   仕方がないとか、こんなものだろうと許容することができると
   症状も和らぐのです。


   死ぬときには、一定の苦しみはあるものだと、はじめから
   心づもりをしておくと、苦痛があっても受け入れられるので
   「なぜ」とか「こんなはずでは」という怒りも起きません。
   逆に意外に軽ければ、「ラッキー」と思えます

   苦しいのはイヤだと、逃げる気持ちになると、
   自分を苦痛に弱い人間にしてしまいます。
   覚悟のある人間の方が強いのです

これらを知っているだけで、随分準備できた!と思えます。
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人はどう死ぬのか  その5 ウィーンの死生観

2023-09-14 05:42:47 | 介護


著者・久坂部医師は外務省の医務官として色々な国での経験を紹介しています。
イエメンは高温多湿で遺体の保存が難しい故の淡々とした処理とスピード。
サウジアラビアは神の思し召しで葛藤を解決・・・・・

そしてウィーンの記述で私が面白いと思ったのは、
p.67 ウィーンの特徴は、街全体が死を拒んでいないことです。
   人間が死ぬのは当たり前、死は忌み嫌うばかりでなく、
   興味の対象とも捉えられていたようです。

著者の在勤中にウィーンの市立博物館で「死の肖像展」が開催されていて
「死に関するあらゆるもの」が集められていて、デスマスクとか、
ライフマスクとかを見たそうです。
日本人だったら「ギャー、そんな気持ちの悪いもの、見たくなーい!」
という感じのおどろおどろしいモノのようです。

p.68 デスマスクはリアルな死に顔ですから、90個ほどのそれぞれが、
   死の直後の無力さをたたえていて、不気味な静けさを感じさせ
   ました。どんな偉人も有名人も、死んだらこんな顔になるのだと、
   死の平等性を強く印象づけられたものです。

興味が湧いた方は本書をお読みください。
私はその思考法に驚き、今までの自分の中になかった感情が
動くのを感じました。が、だからといってわざわざ見に行きたいとは
思いません。

ところ変われば死生観がこんなにも変わるのだ・・・・・という驚きと、
日本人は、もっと変わるべきだという感情も湧いてきました。

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人はどう死ぬのか  その4  緩和ケアに使う麻薬

2023-09-13 08:30:03 | 介護


p.51 麻薬が恐いというのは単なるイメージにすぎない

   日本人には辛抱が好きな人が多く(最近の若い人は別かもしれませんが)
   辛抱すれば何かいいことがあると思い込んでいる人もいて、
   がんの末期でも麻薬の使用をできるだけ我慢して、
   
   そのせいで逆に逆に体力を失い、死期を早めるケースもあります。
   人生の最後の時間を、そんな根拠のない辛抱で無駄にするのは
   本当にもったいないと思います。

p.52 最期を迎えるときは点滴などせず、
   乾いて死ぬのがいちばん楽そうなこととか、
   がんの痛みにはできるだけ早く麻薬を使った方がいいとか、

   苦痛が強いときには、命を縮める危険を冒してでも
   意識を取ってあげたほうがよいこと

などなどを医師が家族に十分に説明して、全員の心の準備ができていれば
穏やかな看取りができることは、まずまちがいありません。

そうかなぁ・・・・?・・・???
現在、介護ベッドに寝ている夫は癌のの他にイレウスがあるため、
相当な苦しみを味わっています。胃管を挿入しているため、
常に喉に違和感があり、痰がこみあげて苦しんでいます。

お腹の痛みも四六時中あって、とても穏やかとは言えません。
救いなのは、
信頼できる「かかりつけ医」の先生が必要に応じて往診してくださり、
ケアマネさん、看護士さん、介護士さんたちが真摯に対応して
下さるので、私の心は休まりますが、病人の痛みは消えません。

確かにモルヒネの頓服薬を初めて飲んだ時は、ちょっと楽に
なりましたが、徐々に飲みにくくなり、今はパッチだけです。
「もし、これがなければ、もっともっと苦しいんですよ」
と言われれば、「緩和」にはなっているのでしょう。
でも、なかなか穏やかにはなれない・・・これが現実です。

確実に言えるのは、もし病院や施設に居たら、
多分ナースコール対応は即時じゃないでしょうし、
「かき氷が食べたい。ビールを飲みたい。アイスクリームを!」
などの要求は殆ど満たしてもらえないでしょう。

私は夜中に二回、スマホが鳴るので起きて見に行き、
色々な要求を聞いて、処理してあげます。
早寝早起きの健康優良老人の私が「夜中に無理やり起きる」のは
相当な苦痛です。が、自力整体ナビゲーター・体操教師として
普段から鍛えているのでまだまだ耐えることはできます。

でも、お互いに80代の老老介護だったら、多分無理でしょう。
友人の多くはお互いに「看取りは施設でイイよ」と決めています。
確かに、母を老健で看取ったときは、体力的には楽でした。

どこでどんな最期を迎えるのが理想か?
万人が納得して準備できる答えはないようです。
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人はどう死ぬのか  その3  助かる見込みとは?

2023-09-12 05:56:12 | 生き方


p.36 仮に、あなたが高齢になって、脳梗塞か心筋梗塞の
   発作を起こしたとき、あるいは誤嚥性肺炎でも同じですが、
   そのまま自宅にいれば亡くなる可能性が大だけれど、

p.37 病院に行って治療すれば、わずかだけれど助かる見込みが
   あると言われたとき、病院に行かないという選択が
   できますか?

   (中略)それで助かればいいですが、助からない場合が、
   悲惨な延命治療になるのです。

   (中略)絶対に悲惨な延命治療を受けたくないというのであれば、
   助かる見込みがあっても病院に行かない覚悟が必要です。

   (中略)助かる見込みがあれば治療を受けたいけれど、
   悲惨な延命治療はぜったいにイヤというのは、両立しないのです。

誰でも、「管だらけにされたまま長く生き続けるのは嫌だ」と思うし、
そのように意思表示をする人は増えているようです。
が、その厳しい実態はあまり喧伝されていないようです。

著者はその悲しい現実を分かり易く説いてくれています。
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人はどう死ぬのか  その2  死に対する反応

2023-09-11 06:02:57 | 介護


p.15 一般の人は平常心で死を見る機会が少ないので
   死を大袈裟に捉え、死者に過剰に反応しがち

   死が人生の重大事であることは間違いありませんが、
   心にゆとりを持ってみれば、特別な不幸でも不運でもない
   ことがわかります。

   だれにでも起こることで、恐ろしいことでも、
   いやなことでもない。ごく当たり前のことだと感じられる。

その感覚を理解するために、死に直面していない今、
死の実際をイメージすることが大事
だそうです。

家族や身近な人たちが「死を受容」している場合は
無駄な儀式(心停止の後、強心剤注射とか心臓マッサージなど)を
しないで済むので、
p.21 これがなぜ儀式かというと、蘇生する可能性など端から
   ゼロであることをわかって行うからです。つまりは
   パフォーマンス、無駄な行為ということです。

こんな残酷な処置をしないで済めば
   (中略)看取る方も楽なら、看取られる方も余計な処置をされずに
   すみます。
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人はどう死ぬのか   久坂部 羊・著   2022/3

2023-09-10 08:15:33 | 介護


メッチャ面白い本に出合いました。
私は読書メモとして抜き書きしたい箇所に付箋を貼るのですが、
217ページの薄い新書版が付箋だらけになりました。

著者は1955年生まれ。小説家・医師。
麻酔医・一般外科医を経て在外公館で医務官として勤務。
サウジアラビア、ウイーン、ハンガリーなどの終末期医療の
話がとても興味深いです。

p.4 上手に死ねなかった人を看取りながら、もしもこの人が
   もう一回死ぬことができたら、次は失敗しないだろうになと、
   よく思ったものです。しないほうがいいことを、
   いろいろして死んだ経験を活かせるからです。

   練習ができないのなら、せめてほかの人の例を参考に
   すべきでしょう。その数はもちろん多いほうがいい。

2002年に実家の父を見送ったときの主役は母だったので
私は介護も生活援助も、ただのお手伝いでした。

2016年に母を見送ったときは、父の時の反省をもとに
母は「老人マンションで快適な最期を!」と意気込んで
すごく勉強しました。でも、目論見通りにはならず。

そして今2023年に夫の癌が進行して最期を考える時が到来。
父母の時よりは格段に情報に恵まれ、介護保険や地域の支援も
使い易くなっています。それでも病人を癒す方法は・・・・・
昔に比べれば格段に進歩しているのかもしれませんが、
「やはり病気は辛いモノ」というのが実感です。
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病気にならない 毎日ルーティン  その7  睡眠の乱れ

2023-09-09 06:18:56 | 健康法
腸内環境を乱す原因は食べ物ばかりではなく
生活習慣も大きく影響します。
その代表が睡眠不足、睡眠の質の低下です。

p.31 糞便内の腸内細菌の関連調査を行ったところ、
   腸内細菌の多様性が高い人ほど睡眠の質が高い

   多様性が低い人は睡眠中の中途覚醒までの時間が短い、
   すなわち長く眠ることができません。
   慢性的な睡眠不足が腸内細菌叢の異常を促進する
   可能性が考えられる

専門的な説明もありますから興味がある方は本書をご覧ください。
私自身の体感では、最近介護の必要があって夜中に2~3回起きると
昼間トロトロと昼寝をしても取り戻せない疲労感があります。

自律神経が8時間周期で交感神経と副交感神経の交代が起こり、
仕事も休息もしっかりできなければ具合が悪くなる一方です。

現代の子どもたちや主婦も含めて、慢性的な睡眠不足の人が多く、
不定愁訴を抱えている話を聞くにつけ、大きな問題だと思っています。
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