p.150 メリットは、検診でがんが早期発見され、
治療で助かる可能性があることです。
一見、おれは大きなことのように思われがちですが、
その人が検診を受けなかったら、必ず死んでいたとは
かぎりません。症状が出てから治療しても、
助かる人がいるからです。
あるいは、そのがんは治療の必要がないがんの場合もある。
いわゆる「がんもどき」です。
実際、勧告では、2000年ごろから超音波診断による甲状腺がんの
検診が広まって、甲状腺がんの患者数が急増しました。
それで手術件数も飛躍的に増えたのですが、
甲状腺がんの死亡率は下がらなかったそうです。
つまり、切らなくてもいいがんを切っただけ。
それで「過剰診療」の問題を引き起こしたのです。
剰診療」という報道は私は眼にしたことがありません。
不思議ですね。
p.150 がん検診のデメリットは、疑い診断で精密検査となり、
日本ではそういった検証がなされているのでしょうか????
「過 時間とお金を浪費させられ、無用の不安に苛まれることも
ありますが、もっとも大きいのは検査被爆による発がん。
日本は検査被爆による発がんが世界中でダントツに多く、
欧米は全がん患者の1%前後であるのに対し、日本は3%も
あります。つまり、日本のがん患者の約30人に一人は
検査被爆でがんになったということです。
p.151 がん検診で一人でも助かる人がいるなら、検査は行うべき
だと言うなら、がん検診で一人でもがんになる人がいるなら、
検査はやめるべきだとも言えるでしょう。
それなのに、世の中は「検診を受けましょう」の大合唱です。
誰のために?何のために?を考えていくと、恐ろしい構造が見えてきて
私は居ても立っても居られない心境です。