自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

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夫の後始末  曽野綾子・著  2017/10

2020-04-20 08:25:00 | 図書メモ


人生100年時代。医療技術は進歩し、看取り方法にも多様性が。
介護保険のお陰で「住み慣れた家での最期」も視野に入ってきました。
が、どんな苦労があるのか、それを凌ぐ知恵は?と思うと、
先達の体験を参考にするのが一番です。

そういう意味で、著者が作家家業を続けながら、
夫の両親・自分の母親・夫を家で介護し、看取りを続けてこられた様子は
とても参考になります。

以下、気になった言葉をメモしていきます。
P.35 (著者は)信仰から離れたことはないので、すべてのことは
   神に命じられた道なのだと思うことができる。
   (中略)人間から見ると理不尽な要素があってこそ、
   人生は編まれていくという感じがする。

この文章で思い浮かぶのは、先日見た「レ・ミゼラブル」の主人公。
お腹をすかした妹の子どものためにパンを1個盗んだだけで、
執拗にいじめられ、凄惨な日々を送るジャン・バルジャン。
それよりもっと悲惨な人生を送ったファンテーヌ。

「理不尽そのものの人生に光明を見いだせ」というのは、承服しかねます。
小説だから、、、ジャン・バルジャンは富を得て、市長になったりしたけれど、
そういう一人の陰に何千人ものファンテーヌや奴隷のまま死んでいった市民が
居たはずです。
そういう民衆が立ち上がり、フランス革命が起こったのだから、
苦しみしか知らずに人生を終わった人々にも生きた価値があるのか??

ジャン・バルジャンの話で介護からそれたように見えますが、
「辛い介護」「貧困」「家庭内暴力」など、私にとっては、
理不尽であればあるほど、必死に頭を使って、政治を動かし、
世の中を変えていくために、
抗わねばならないのが人生」だと思うのです。







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