自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

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「楽園のキャンバス」 原田マハ・著 2012/1

2018-07-02 06:03:50 | 推薦図書


シェア奥沢のアート通の方たちから薦められた<珠玉の名作>
私にとって、小説を読むのは久しぶりでしたが、
「ダ・ビンチコード」以来の感動と充足感を覚えました。

私は音楽人間なので、恥ずかしながら
「美術は分からん」と決めつけてきた人生でした。
が、シェア奥沢の<西洋美術の会>で、絵の見方を教わり、
少し楽しめるようになってきた<ひよっこ>です。

この本でも<絵の見方>について重要なことを教わりました。

P.282 ねえ、お父さん、こんなにいっぱい絵があったら、
   どれを見たらいいかわからないよ?

という娘の質問への、父親の答えは

   どんな人ごみの中でも、
   自分の大好きな友だちを見つけることはできるだろう?

   この絵の中に、君の友だちがいる。
   そう思って見ればいい。
   それが君にとっての名作だ。


この言葉は私にとって大きな救いです。
<好き。引き込まれる。訴えかけてくる。>
これらを頼りに、これからは美術館を楽しめる気がします。

私の残りの人生は30年を切ったと思うので、
いずれ登山も声楽もできなくなることでしょう。
でも、絵を見つめることは、見つめながら何かを考えることは
思考活動の最後の砦なのかなぁ?と感じさせられる小説でした。

ストーリーは、息をのむ展開で、楽しいものでしたが、
先入観を持って読むよりは、何も考えずに読んだ方が良いと思うので
あえて何も書きません。

これだけの展開と文章力、知性の輝きを伝えてくれる作者、
原田マハさんに脱帽です。
コメント
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