駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宝塚歌劇専科東京特別公演『おかしな二人』

2012年12月08日 | 観劇記/タイトルあ行
 日本青年館、2012年12月7日ソワレ(初日)。

 ニューヨークのとあるマンションの一室。煙草の煙にまみれ、汚れた皿や空き缶、雑誌や新聞などが散らばった足の踏み場もないリビングで、スポーツライターのオスカー(轟悠)がポーカー仲間たちとポーカーに興じている。そこへ、ポーカー仲間のフィリックス(華形ひかる)が12年連れ添った妻に離婚を切り出され、遺書を残して家を出て行方不明、との知らせが飛び込んでくる…
 原作/ニール・サイモン、脚色・演出/石田昌也、翻役/酒井洋子。
 1965年ブロードウェイ初演、68年には映画化もされた作品。2011年に轟悠・未沙のえるで上演された公演が、配役を変更して東上。

 有名な作品ですが、だいたいの設定しか知らない作品でした。
 ぶっちゃけラストは「えっ、これで終わり?」と思ってしまいました。でもオスカーのあの行動がミソなんだよね。それがもっとくっきりわかるよう、もう少し丁寧にやってくれてもよかったのに…とは思いました。
 でもとにかく楽しかったし可愛らしかったし笑ったし、歌もダンスもなくてもみんな生き生きキラキラしていました。
 みつるはホントに芸達者だなあ。エプロンは日替わりなんだそうですね、細かいわ!
 そしてさあやとゆきちゃんという私得のピジョン姉妹がたまらんわー。可愛かったわー。

 フィナーレも素敵でした。ザッツ花娘!なふたりの場面のあと、イシちゃんがさすがのカッコ良さで見せ、加わった花男四人がそれぞれ気障で素敵で(がりんちゃんのダンスはやっぱり上手い)、さてイシちゃんとみつるでデュエダンが始まったらどうしようと思っていたら、フィリックスのまんまで「関白宣言」もどきを歌い出し、爆笑させられました。
 ちなみに歌詞が変わっているしメロディラインも似せてあるだけでまんまじゃないのは、著作権的にアレなんですかね、別の歌ってことにしておきたいんですかね?(^^;)
 それはともかく楽しく「がんばれ!」唱和しました。
 …ら、揺れ始め、でもみつるが気づいていないふうだしみんなおとなしく固唾を呑んでいたら、場面終わりで地鳴りがして大きく揺れて…
 すぐに客席に明かりがつき、係り員が非常口に立ち、幕が一度下りました。
 地震があった旨アナウンスがされ、すぐに避難の必要はないようなので安全確認ののち再開するのでそのままお待ちください、と言われました。
 結局20分ほど中断しましたかね、あとはパレードだけでした。
 晴れやかな笑顔で出てきた柚カレーにほっとさせられました。
 イシちゃんのご挨拶はことさらなものではなく、
「おかしな下級生七人と共に、地震に負けずにがんばります!」
 でした。
 でもちょっと、待っている間、震災当日のことを思い出してしまいました…
 あれから観劇中に地震を感じることなんて何度も何度もあったけれど、舞台が中断されたのは今回が初めてだったし、あの時も今回も、自分もドキドキしながら、楽屋で控えているのであろう生徒さんのことも案じたりしていました。
 そのときの不安な想いが、けっこうフラッシュバックしましたね…
 余震が続かないといいのですが。
 昨夜に引き続きみわっちめおちゃんが客席にいて、花組も募金活動したり大変だったよね、とか考えるともうそれだけでちょっと泣きそうでした。

 ところで「カップル」という英単語には「二人組」という意味しかないのでしょうか? 日本ではどうしても恋人同士である二人組にのみ言われる言葉な気がするのだけれど…昔の作品だし、別に゜オッド・カップル」がゲイを示唆しているわけではない…の、かな?
 
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『恋と音楽』

2012年12月08日 | 観劇記/タイトルか行
 パルコ劇場、2012年12月6日ソワレ。

 人気ミュージカル作家・田代幸雄(稲垣吾郎)は新作ミュージカル「THE WOMAN」の初日を三ヵ月後に控えていた。だがヒロインが見つかっていず、プロデューサーの村岡昇司(浅野和之)は困惑している。新人女優の中川弓(大和田美帆)と新人男優・刈岡聖也(菅原永二)が売り込みに来るが、適当にあしらう。するとその夜、田代の家に見知らぬ女が現われた…
 作/鈴木聡、演出/河原雅彦、音楽/佐山雅弘。
 全一幕。

 まとぶんの卒業後初舞台というので観に行きましたが、タイトルロールでしたね。要するになんというか、恋と音楽の化身というか、主人公が夢見る幻想の女なわけで、第一声が「どうかなー」ですからね、元フェアリーにはぴったりの役どころだったと思います。
 オチとしては主人公の元カノそっくりだったということで、元カノとの二役でもあり、それもきちんと演じていて、好感が持てました。
 歌は低いキーの部分はショーのときの歌唱のままで懐かしかったです。ソプラノはまだつらいかな。まあ美人だし器用だし映像で十分輝ける人だと思うし、舞台でもストレートプレイがもつタイプだとは思いますが、とりあえず『マイフェアレディ』も行くつもりなので楽しみです。
 しかしお衣装はひどかったなー。何であんな色、あんなシルエットの服なのどれもこれも? もっと彼女をより綺麗に見せる服ってものがあるだろう! あのヘンに濃いタイツだかストッキングだか、ホント許せんわー!!

 というワケで河原作品はけっこう観ていますが鈴木作品は初めてかも。クリスマスシーズンのパルコの芝居ということで、大人の童話というか、ちょっさとお洒落でハートフルでウェルメイドなミュージカル…を狙ったのでしょうが、私には残念ながらぴんと来ませんでした。
 だって結局幻の女は元カノとそっくりで、主人公のところに元カノが見舞いに来て再会して、それで? だから? 何? なんだもん。
 どんなつきあいだったのか、何故別れたのか、元鞘に収まりそうなところで終わっているけどそれは何故なのか、どんな展望があるのか、ミュージカルのヒロイン役はどうなるのか、そういうのは全部どうでもいいってことなの? でも私はそういうことがちゃんとわかるように見せてくれないと「ああよかったね」なんて気分になれないよ…?
 五人の芝居で場面転換の場つなぎに演出家が出てきて小芝居するのも舞台の醍醐味だしかまいませんが、滑る笑いの寒さに私は不寛容なのでけっこう耐えがたかったです…
 ノって笑っちゃったほうが楽しめるんだろうし大人の対応なんだろうけれど、ねえ…
 ちなみに役者はみんな芸達者でとても素晴らしかったです。

 あ、みわっちめおちゃんスミカが観に来ていました。スミカかーわーいーいーーー!!!

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