文学新人賞を受賞した加代子は憧れの「小説家」になれる…はずだったが、同時受賞者は元・人気アイドルで、すべての人気をかっさらわれる。それから二年半、依頼もないのに「山之上ホテル」に自腹でカンヅメになる加代子を、大学時代の先輩・遠藤が訪ねてくる。大手出版社に勤める遠藤から、上の階で大御所作家・東十条宗典が執筆中と聞いて、加代子は…文学史上最も不遇な新人作家の激闘!
確か単行本でも読んだような記憶がうっすらとあるのですが…ここでの記載はないですね。そして私は読んだ本の内容をわりと綺麗さっぱり忘れられるというなさけない特技があるので(なのでミステリーでも「意外な犯人」に何度でも驚けます。なので本当に備忘録としてとしてここを展開しているのですが…)、文庫でも楽しく読んでしまいました。単行本読了当時、特に感想を上げなかったのは、感想を書きようがなかったのかもしれません。
小説家小説…というのもなかなか難しいもので、きちんとエンタメに仕上げるのは意外と大変なことだと思うのです。この作品も露悪的だったり戯画化されていたりの、かなりデフォルメされたファンタジーではありますが、それでもリアルな部分も感じられるし、作者本人の自意識や理想や怨恨や怨念があちこちに発露されているのでしょう。その上でちゃんとエンタメになっているところがすごい、と私は思いました。最近、そのあたりが中途半端に思える漫画家漫画を読んだところだったので、それより断然ちゃんとしているな、と比べちゃったりしました。
思えば加代子は不遇だけれど、筆力も演技力もある、才能あふれる女性なんですよね。もっと違う生き方ができれば、もっと楽に幸せになれそうなんですけれどねえ。両脇を固める男性ふたりと安易にラブが生まれないところも、またなんとも味わい深いです。楽しくぐいぐい読んでしまいました。
しかしおもしろい作家さんだなあ、作品によってテイストがだいぶ違う気がします。まだまだ奥が、底が、あるのかも…そのあたりも、興味深いです。
確か単行本でも読んだような記憶がうっすらとあるのですが…ここでの記載はないですね。そして私は読んだ本の内容をわりと綺麗さっぱり忘れられるというなさけない特技があるので(なのでミステリーでも「意外な犯人」に何度でも驚けます。なので本当に備忘録としてとしてここを展開しているのですが…)、文庫でも楽しく読んでしまいました。単行本読了当時、特に感想を上げなかったのは、感想を書きようがなかったのかもしれません。
小説家小説…というのもなかなか難しいもので、きちんとエンタメに仕上げるのは意外と大変なことだと思うのです。この作品も露悪的だったり戯画化されていたりの、かなりデフォルメされたファンタジーではありますが、それでもリアルな部分も感じられるし、作者本人の自意識や理想や怨恨や怨念があちこちに発露されているのでしょう。その上でちゃんとエンタメになっているところがすごい、と私は思いました。最近、そのあたりが中途半端に思える漫画家漫画を読んだところだったので、それより断然ちゃんとしているな、と比べちゃったりしました。
思えば加代子は不遇だけれど、筆力も演技力もある、才能あふれる女性なんですよね。もっと違う生き方ができれば、もっと楽に幸せになれそうなんですけれどねえ。両脇を固める男性ふたりと安易にラブが生まれないところも、またなんとも味わい深いです。楽しくぐいぐい読んでしまいました。
しかしおもしろい作家さんだなあ、作品によってテイストがだいぶ違う気がします。まだまだ奥が、底が、あるのかも…そのあたりも、興味深いです。