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玉肌日記

2022年11月12日 | 玉肌日記
【濁川温泉(北海道茅部郡森町)】
その1
今回の渡道ついでに最も行ってみたかった憧憬の温泉。付近には上ノ湯(いわゆる銀婚湯)温泉がある。圧倒的な魅力はその浴室にあり、写真のようにまさにレトロ。レトロなのは浴室だけでなくて温泉宿自身もそうなのだが、浴室に向かう途中で襲われるのは平衡感覚をなくす廊下。床が左斜めに微妙に傾いているようで、浴室に降りる箇所をよく見てみるに廊下の断面が平行四辺形になっている…。浴場は混浴ながら脱衣場には簡易な衝立しかなく、そのどちらで着替えればよいのか全く不明だったが、ロジカルには手前が男性、奥が女性と考えて手前を使用(とはいっても、入浴者は当方だけだったが)。浴室への入口も並んで二箇所あり、どちらから入るべきか一瞬悩むも内部は完全に一つであって全く遠慮のない混浴になっている。余談だがこれを配慮し、女性専用浴室が旅館新館にあるため女性客はそちらに案内されるようだが、誰も居ない場合は是非こちらのレトロ混浴浴場を利用すべき。この哲学的にT字に配置された浴槽にはいずれも湯が直接注がれているが、訪問時には奥の2つが比較的入浴しやすい湯温だったのに対し、手前のはあまりに熱くて入れず。奥の2つも当初は激アツだったが攪拌すれば適温。これほど攪拌が効くとは、前回の入浴者から相当時間経過したと想像。素晴らしいのはこの湯の長年のオーバーフローによって形成された析出物であって、石膏系のいい味を醸す。湯は無色透明でやや鹹味(かんみ=塩辛い味)がある。木やオイル臭があるとも言われるが、あまり感ずることなし。判読できる現代の温泉成分表は見当たらず、あるのは木製の年代物で、その表記は昭和10(1935)年!知内温泉の昭和4(1929)年には劣るが、これは2.26事件の前年である。(続)

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