Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

九州/中国紀行(12)

2005年03月09日 | 時事批評
まずはここへ向かうが、開館まではちょっと時間があるため、知覧の街を一周。ここは武家屋敷や庭園等、一部で当時の町並みが保存されている地区(このため”薩摩の小京都”と言われる)があり、ここを見学。朝で観光客は殆どおらず、付近を徒歩で一周する。その後は知覧特攻平和記念館。非常なる重々しい雰囲気、館内周囲には沖縄特攻で散華した1036名の顔写真が並ぶと同時に、展示物の殆どは遺書。すべて読み尽くすには膨大な時間が必要となるその展示物に圧倒、安易に特攻と書かかれた鉢巻等をする者もここにくれば、その愚かな安易さを顧みざるを得ないほどの内容だが、しばらく見ていると館内では展示の特攻機の前で職員なのか一老人が特攻について説明を始め、一同聞き入る。あまりの重々しい内容に聴衆の中には泣いている人も多いが、(本多勝一も書いていたが)「9・11の時に貿易センタービルに突っ込んだテロリストの行為を”特攻”と書く米メディアもあったが、それは”特攻”ではない。”特攻”は宣戦布告後に戦闘員だけを対象にした攻撃であるが、テロリストの行為は単に非戦闘員を無差別に殺傷したものに過ぎない」という話が印象的。加えて、知覧で特攻隊員の世話をした旅館の”特攻おばさん”こと、鳥浜とめさんの話「ホタルになった特攻隊員」(”明日出撃だが、蛍になって還ってくる”と行って出撃した隊員がいたが、翌日夜に一匹の蛍が本当に旅館に飛んできたことから、その場に居た隊員全員が”同期の桜”を歌ったという実話)等を映像で見ると沈鬱な気分になる。全てを見るのに2時間ほど所要したが、その後は鹿児島市内を目指して北上。