ぼちぼちいこか

私の大好きな登山や水泳、ラグビーを中心に私が感じたことを書いていきます。

読了 槍ヶ岳開山

2008年05月23日 | 読書
「槍ヶ岳開山」 (新田次郎著)

江戸時代末期、槍ヶ岳を開山した播隆上人の話です。
(今風に言えば「槍ヶ岳初登」か。)
様々な背景があったとはいえ、現在とは比較にならない
ような粗末な装備で槍ヶ岳に始めて登り、道を造った
播隆上人の人生を新田次郎独特の世界観で紹介しています。

今、我々が山に登るのは完全な娯楽、趣味の世界です。
日々の生活で精一杯だった江戸時代の庶民が山深い
槍ヶ岳まで登ろうとするのは大変な苦労があったと
思います。

文中で印象的だったのは播隆上人が
「山に登っている時は山に登ることしか考えなくなる。
つまり山へ登ることによって心が無になる。そのことで
自分が何者で何をしなくてはならないか?ということの
答えを得られるような気がする。」
という意味のことを言っています。

頭の中を無にして精神状態を定期的にリセットすると
いうのはやはり健全な精神にとっては必要なことなん
だと改めて思いました。

あまり期待はしていませんでしたが予想外に読み応えの
ある1冊でした。

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