映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

推し活レポート◆2024.Mar.& Apr.

2024-05-05 | 推し活

◆3月13日 第544回日経ミューズサロン 山下愛陽ギター・リサイタル ~ゲスト=金川真弓~ @日経ホール

 日経がこんなリサイタルを定期的に開催していたとは知らなかった、、、。そういうわけで、当然、日経ホールも初めてなんだが、多目的ホール(音楽のための専用ホールではない)で、椅子もセミナー仕様みたいなのだし、内装も事務的な感じで安っぽく、始まる前から気分も盛り下がる。席は前方右側。

【プログラム】
 ジョン・ダウランド/ラクリメ(涙のパヴァーヌ)
 ビセンテ・アセンシオ/神秘的な組曲  ゲッセマネ、ディプソ、ペンテコステ
 フェルナンド・ソル/奇想曲「静けさ」作品50
 ベンジャミン・ブリテン/ノクターナル作品70
 フランシスコ・タレガ/アルハンブラの思い出
 J.S.バッハ(山下愛陽編曲)/無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004 より「シャコンヌ」
 ウジェーヌ・イザイ/無伴奏ヴァイオリンソナタ第4番 ホ短調(※金川ソロ)
 アストル・ピアソラ/「タンゴの歴史」より 売春宿 1900-、カフェ 1930-(※デュオ)

 金川さんはゲストなので、出番は後半のイザイから2曲のみ。山下さんとは個人的にも親しい様で、金川さんのTwitterにも一緒に映った画像がアップされていたが、私は山下さんのことは全然存じ上げなかった。

 ギターはあまり詳しくなくて、パコ・デ・ルシアのアルバムを大昔に当時の職場の先輩に勧められたのが切っ掛けで、ちょっとずつ聴くようになった。これまでライブで聴いたことがあるのは、福田進一、大萩康司、鈴木大介、徳永真一郎、カニサレス、、くらいだと思う(村治佳織さんも聴いたような気がするが、ちょっと記憶違いかも)。福田さんはもちろんだけど、大萩さんのアランフェス(N響)は素晴らしかったし、ギターはクラシックに限らず好きな方だが、あまり積極的に聴いて来たとは言い難い。

 そんな程度の耳しか持っていないのだが、正直なところ、前半の山下さんの演奏は少し退屈だった(眠くなったし)。技術的なことは分からないが、表情が乏しいかなと。あんましエモーションを感じなかったというか。これは私に受容体がないだけかも知れないが、まあ率直な感想だから仕方がない。

 で、後半、金川さんのイザイのソロから始まり、休憩を挟んだこともありバッチリ覚醒。

 無伴奏で金川さんの美音を堪能。この曲は加藤知子さんのCDで時々聴いていて、加藤さんの演奏も素晴らしいのだけれど、この日の金川さんも圧巻。無伴奏って、聴いている方もかなり緊張するのだが、彼女の無伴奏は本当に美しい。

 山下さんとのデュオ、ピアソラは、イザイとはガラリと変わって、リラックスして聴けた。ギターとバイオリンというと、昨年の7月に浜離宮ランチタイムコンサートで、徳永真一郎とのデュオを聴いたけど、個人的には昨年のリサイタルの方が楽しかったかなー。その時の無伴奏(ビーバー:パッサカリア)がこれまた涙が出そうなほど感動的な演奏だったのよ、、、。

 アンコールはデュオと山下さんの歌付ソロだったが、山下さんは声楽も学んでいるらしい。なかなかの美声だった。

 まあでも、、、満足度的には低めだったかな、、、ごーん。


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◆3月16日 金川真弓&小菅優 デュオ・リサイタル @彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール

 この会場は、音楽ホールだけでなく、演劇ホールなどもあるらしく、友人が大分前に蜷川の何かの舞台を見に行ったと言っていた。そのとき、友人が誘ってくれたのだが、私はあんまし蜷川さんのこと好きじゃないので行かなかった。結局、ニナガワ舞台は一度も見ずに終わったなぁ。

 で、長らく大規模改修工事をしていたらしいのだが、このほどようやくそれが終わって、3月にリニューアル・オープン後の初の公演が、このデュオ・リサイタルとのこと。

 というわけで、初ホールに行くのはワクワクします。駅から会場まで一番分かりやすい道を行くと街路樹もない大通り沿いを延々歩くことに。この時期はまだよかったけど、真夏はキツ過ぎる、、、と思いながらてくてく10分ほど歩く。

 

【プログラム】
 モーツァルト:きらきら星変奏曲 KV 265(ピアノ・ソロ)
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 作品30-2
 イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番 ホ短調 作品27-4(ヴァイオリン・ソロ)
 ファリャ:7つのスペイン民謡
 プーランク:ヴァイオリン・ソナタ

 最初は、小菅さんのソロから。小菅さんの演奏を聴くのは初めて。輪郭のハッキリした、それでいて柔らかさもある音。ホールの音響もキンキンしなくてまあまあ良さそう。席は2階席真ん中で、バランスも良い感じ。

 2曲目から金川さん登場。ベートーヴェン、、、2楽章が絶品。ピアノとの息もピッタリ。

 休憩を挟んで、3日前に聴いたイザイがまた聴ける~と楽しみにしていたところ、金川さんがマイクを持って話し始めた。この後のファリャからプーランクへの流れとして、ロルカの詩を詠む。プーランクのヴァイオリンソナタが、あのジネット・ヌヴーの依頼によって書かれたことなど、曲の背景なども割と長めの解説。前から感じていたけど、金川さん、演奏する曲についてよく語るお方だ。最近のアーティストは、SNSなどでも積極的に発信しているから、一昔前のアーティストのイメージとは大分違うよね。まあ、ファンとしては彼女の素の語りが聴けるのは嬉しい限り。

 ちなみに、ロルカの詩、恥ずかしながら読んだことないので、金川さんの詠む声を聴いてそのまま流れて行ってしまったので、後から検索したところ、詳しく書かれているサイトを発見。金川さんの演奏動画(事務所の公式HP)もあるので、貼っておきます♪

 で、マイクを置くと、イザイへ。

 ……これが、3日前にも同じ曲を聴いていたはずなのに、何かこう、、、違って聴こえるという、、、。やはり、リサイタルやコンサートは、会場やら聴衆やらもろもろの雰囲気ももの凄く大事だと改めて実感。とにかく、このイザイが凄過ぎて、終わった後の拍手が起きる前に、客席からどよめきが起きたほど。いや、これ、私も涙が出そうになって、思わず唸ってしまったもんね、、、。実際、泣いている方もかなりいた。分かる、分かるわ~~。

 その後の、ファリャもプーランクも、とにかく素晴らしかった!としか書きようがなく、、、。ボキャ貧なのでスミマセン。

 小菅さんとの共演は、来月にもあるので、楽しみだ。

 

(右の画像はお借りしました)

 

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◆4月5日 読売日本交響楽団第637回定期演奏会 @サントリーホール

 バルトークを金川さんの演奏で聴けるなんて!! 絶対聴かねば!!! とチケット発売日を1週間後に控えた頃に、夫の海外赴任に帯同していた友人が帰国したので3年ぶりくらいに会った。彼女に、私が金川さんの追っ掛けをしていることを話したら、「聴きたい!!」と言ってくれたので、んじゃあ2人分チケット取るべ!と頑張って(いや、頑張らなくてもゼンゼン取れたんだが)取りました。

 誰かとコンサートに一緒に行くなんていつ以来かしらん??というくらいに久しぶり。こういうコンサートは一人で行くに限るといつもは単独行動がほとんどなんだが、たまには誰かと分かち合うのも良いもんだ、としみじみ感じました。

【プログラム】
 マルティヌー:リディツェへの追悼 H. 296
 バルトーク : ヴァイオリン協奏曲第2番 BB 117
 メシアン:キリストの昇天

 それにしても、なかなか尖ったプログラムで、マルティヌーの曲は初めて聴く。が、実に感動的だった。ナチスによって僅か一日で消滅してしまったチェコの村リディツェへの追悼として書かれた曲だが、静謐な美しさに満ちた曲。

 指揮者のシルヴァン・カンブルランによれば、金川さんからバルトークの2番を提案されたので、それに合わせて、他の2曲をプログラムしたとのこと。……ふむ。

 で、2曲目はお目当てのバルトーク。序盤、ちょっとオケと合っていない??と感じる部分があったのだけど、1楽章の中盤からは凄まじい集中力。見族舞踊的な独特のメロディラインも実に魅力的で、あっという間に終わってしまった……!

 終わった瞬間に、友人と一緒にため息が出てしまい、思わず顔を見合わせた。「何か鳥肌立ってる……」と友人が言っていたけど、本当にこの人は一体何者??というくらいに、隙の無い演奏で拍手よりもため息が先に出た感じ。

 ソリスト・アンコールはなし。まあ、あんなもの凄い演奏聴いた後では、むしろアンコールはない方が良い。

 その後、休憩中にワインを飲んだ友人は「金川さんのお父さんと思しきお方がいらしたみたい?」と言っていた。あんなスゴい娘さんを持って、御父上も幸せだ。

 メシアンは、あんまし得意じゃないんだけど、やはりライブで聴くとグッとくるものだなぁ、、、。この曲に限らずだけど、金管楽器のコラールって美しい。1楽章とか、聴き惚れてしまった。

 大満足で、友人とも感動を分かち合えて嬉しく、傘を忘れて来てしまった、、、というオチ付き。あー、ステキな夜だった!

 

 

 

コメント
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