映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ハワーズ・エンド (1992年)

2019-09-19 | ヘレナ・ボナム=カーター(H・B・C)

作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv16408/

 

 20世紀初頭のイギリス、ウィルコックス家の別荘ハワーズ・エンド邸に招かれたシュレーゲル家の二女ヘレン(ヘレナ・ボナム・カーター)は、ウィルコックス家の二男ポールと束の間の恋に落ち、ロンドンにいる姉マーガレット(エマ・トンプソン)に「婚約しました」と手紙を送ったことから、シュレーゲル家は大騒ぎに。姉妹の叔母が慌ててハワーズ・エンドに訪ねてきたときには、しかし、ヘレンの恋は終わっていたのだった。

 その後、ロンドンのシュレーゲル家の真向かいにウィルコックス家が引っ越して来たことで、マーガレットとウィルコックス夫人(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は親しくなり、亡くなる直前、「ハワーズ・エンドをマーガレットに」と遺書を残すが、当主ヘンリー(アンソニー・ホプキンズ)や長男チャールズ(ジェームズ・ウィルビー)らは同意しかねるとして、その遺書を破り捨て燃やしてしまう。

 ヘレンがレナード・バスト(サミュエル・ウェスト)の長傘を間違えて持ち帰ってきてしまったことが切っ掛けで、シュレーゲル姉妹はレナードのことがお気に入りに。ある日、ヘンリーが、レナードの勤務先である保険会社の経営状態が悪いと姉妹に話したことに端を発し、レナードは転職したが、結果的に転職先が経営悪化し、レナードは失業してしまう。

 一方、ウィルコックス家では、夫人亡き後、ヘンリーは密かにマーガレットに惹かれており、後にマーガレットに求婚、2人は婚約する。しかし、レナードの一件があったことで、責任を感じていたヘレンは、マーガレットがヘンリーと婚約することに反対だった。婚約式に、腹いせのつもりかレナード夫妻を連れて行くヘレン。しかしそこで、実はレナードの妻が若い頃ヘンリーの愛人だったことが図らずも明るみになってしまう。衝撃を受けるマーガレットだが、ヘンリーを許すことに。

 いたたまれなくなって婚約式を飛び出したヘレンとレナードは、思いがけず関係を持ってしまう。直後にヘレンはレナードに多額の小切手を残してドイツに旅立ってしまい、マーガレットには愛想のない葉書を時々送ってくるだけだった。マーガレットは数か月後、病を口実にヘレンを呼び戻すと、ヘレンは何と妊娠していたのだった――。

 

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 4Kデジタルリマスターでリバイバル上映です。公開時には劇場で見逃していた本作、美しい映像をスクリーンで見ることができる日が来ようとは……! 感謝・感激・雨あられ。

 

◆いろいろ疑問が、、、

 まぁ、オハナシ自体は他愛ないといえば他愛ないけど、よくよく考えると、え、、、?と思うとこともあるなぁ……、と今回再見して感じた次第。

 例えば、、、。

 ヘンリーがマーガレットに求婚するのは、妻が亡くなってまだ大して時間が経っていないと思われる頃。マーガレットもすんなり求婚を受け入れるし。しかも、ヘンリーは素敵な紳士、、、とは到底言えない(だって、アンソニー・ホプキンズ、、、)お爺さんだし、性格もイマイチだし。まあ、マーガレットもイイ歳で、結婚しないとモロモロ面倒くさいってのもあったんだろうけどね。お金のこともあるだろう。

 ヘレンがレナードと関係を持っちゃうところも、まぁ、ヘレンの性格なら有りだろうとは思うものの、しかしやっぱりちょっと飛躍が過ぎるような気もするというか。あのシチュエーションならキス止まりでもええんちゃう??などと下世話なことを考えてしまったりして、、、すんません。

 ウィルコックス夫人が、ハワーズ・エンド邸をマーガレットに遺そうとしたのも、イマイチよく分からない。いくら親しくなったからといっても、アカの他人。ヘンリーを見ていれば、愛のあった夫婦ではなかったんだろうと想像はつくけれども。おまけにあの長男、、、ジェームズ・ウィルビー演じるチャールズが、まぁ、ハッキリ言って最低だから、夫人としてみりゃアカの他人に譲りたくなる気持ちにもなるのかなぁ、、、とか。

 レナードも、シュレーゲル姉妹に言われたからって、あっさり転職するのもナゾだ。姉妹との信頼関係だって大して築けていないのに、なぜ?? 「一度失業したら、再び職を得るのはほぼ不可能」とセリフにあったが、そんな状況で、昨日今日知り合った世間知らず姉妹に言われたくらいで簡単に転職するかなぁ?? いや、そんな社会だからこそ、少しでもリスク回避しようとするのかも、、、と思ったり。

 ……てな具合に、内容については色々と???が浮かびながらも、美しい風景と衣裳と美術と音楽、そして何より美しく甦ったデジタル映像で、そんなチマチマしたことどーでもええわ!! と湧き上がる???を脳内で蹴散らしながらうっとり2時間半、スクリーンに吸い込まれておりました。

 

◆どーでもよい話とか……

 それにしても。我が愛するヘレナの、何と可愛らしいことよ。もう、可愛すぎて、ヘレナが出てくるだけで、デレ~~ッとなってしまう。何であんなに可愛くて、アバンギャルドで、賢い女性が、あんなバートンなんかと、、、と(私はバートンがあんまし好きじゃないから)思ってしまうけど、お門違いだわね。

 ヘレンという女性のキャラと、ヘレナの持つ魅力が共鳴し合い、適役だったと思う。後半、あんまし出て来なくなるのが残念だけど。

 あと、エマ・トンプソンと姉妹、ってのはちょっとムリがあるかなぁ。2人とも素敵な女性だけれども、雰囲気がゼンゼン違うもんね。こんな2人の心を奪った(?)ケネス・ブラナーって、ホントにそんなにイイ男なのかねぇ?? そうは見えないところが辛いとこ。ま、どっちも破局しているけれど。ヘレナが破局した遠因が、エマだとも聞いたことがあるのだが、、、。

 レナードを演じたサミュエル・ウェスト、なかなかキレイでした。今まで、何度も見たのにほとんど眼中に入ってこなかったんだけど、今回、結構キレイなお兄ちゃんではないか、と思った。彼に、あの妻はないだろう、、、とは前から思ってはいたが。レナードはお金はなくても知性はある人に見えるが、あの妻は、お世辞にも知的には見えないもんなぁ。レナード自身、彼女をあんまり愛しているようにも見えず、何で親の反対を押し切ってまで彼女を結婚したのかも、イマイチ分からない。

 今回、ある意味、一番印象に残ったのは、ジェームズ・ウィルビーだったかも。いつも、ヘレナばっかし見ていて、他の部分はちゃんと頭働かせて見ていなかったんだと思うけど、ジェームズ・ウィルビーの演じたチャールズって、ホントにどーしようもないんだわよ、ホントに。お金持ちだけどバカで強欲で軽率、、、っていう、良いとこなしなんだもん。チャールズの妻も、いかにも、、、で、夫婦揃って感じ悪い。ウィルコックス家が、そもそも知的階級でいうとそんなに高くなさそうだもんね。だからこそ、夫人は夫や息子よりも、マーガレットに救いを見出したってことだろうけど。

 それにしても、『モーリス』では可愛かったジェームズ・ウィルビーが、なんだか頭の悪そうなオッサンに見えたのがちょっと哀しかったかも。終盤、刑務所送りになっても、ゼンゼン可哀想とも思えなかった。

 マーガレットは結局、財産狙いだったのかなぁ、、、などと、ラストを見ると思わざるを得ず。何だかんだと、結局、ハワーズ・エンド邸をしっかり手にして、自分はもちろん、妹とその息子の居場所を確保しているところを見ると、一番賢いのは、やはりマーガレットだった、ということだろう。

 やっぱり、世の中、“お金”なんである。それを露骨に見せずに、しっかり手中にするのが賢い人間だ、ってことかな。これって、何も20世紀初頭のイギリスだけの話じゃなくて、現代でも言えることだわね。

 お金は大事。でも、金カネ金カネ、、、っていう人は、やっぱりいつの世でも下品。何事もほどほどって難しいわね。

 

 

 

 

 

『眺めのいい部屋』のデジタル・リバイバル上映もよろしくお願いします!

 

 

 

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コメント (6)
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