★★★★★★☆☆☆☆
惚れてしまったアルトマンの作品を全部見ようと思い、何も考えずに本作から。まだ見ていないの、一杯あるのよね・・・。
はてさて、、、、えーっと、これ、すごいフツーじゃないですか。いや、アルトマンにしては、という意味ですけど。なんというか、ストレート過ぎて面喰いました。、、、まぁ、クリスチャンならではのストーリー展開なのではあるけれど、あんまり宗教色が全開というわけでもないので、無宗教の私でも十分着いて行けます。
グレン・クローズは、お約束な役回りです。彼女はやっぱり巧いですね。こういうイッちゃってる人を演じさせると、この人は魅力全開。でもって、彼女のちょっとオツムの弱そうな妹役であるジュリアン・ムーアなんですが、これが、何でこういう姉妹の関係なのかがイマイチよく分からないんだけど、それはまぁ、話の筋にはあまり関係ないのよね。あんな姉だからこんな妹なのか、こんな妹だからあんな姉なのか・・・。
思うに、そのどちらも、なんでしょうなぁ。こんな姉でこんな妹だから、あんな妹であんな姉になったんだよ、というところじゃないかしらん。序盤に自殺してしまうクッキーは彼女らの叔母さんなのだけれど、肝心の彼女らの母親が本作では一切語られていないのよね(それとも見落としたのかな)。それが気になります、とっても。あんなイカレた姉妹、母親との関係が相当ねじくれていなければあり得ないと思っちゃう。恐らくは、父親不在の家庭だったのではないかと。
この姉妹だけが、本作の中で浮いているのですね。街の人たちは皆、ほのぼのとそれなりに仲が良い様子なのに、この姉妹(特に姉)だけが何やら剣呑なのです。事実、トラブルメーカーですが。案の定、妹には娘がいるんだけれども、この母娘関係もよろしくない、、、どころか、とんでもない秘密が明かされてビックリ。
とまあ、話をなぞるとそれなりに毒はあるし、話は(珍しく)分かりやすいし、展開も(これまた珍しく)結構速いし、映画としてはとても良い出来だとは思うんですけれども、なんかこう、、、食い足りないっつーか。リヴ・タイラーは可愛かったけれど。
『M★A★S★H』とか『ゴスフォード・パーク』で見せてくれた、キョーレツな皮肉や意地クソ悪い毒まみれではないので、万人受けはすると思いますが、アルトマンの放つ毒気にヤラレた(もちろんイイ意味で)輩にはヒジョーに物足りないのではないでしょうか。しかも、ラストは、人情系の結構ハッピーエンドだし。うーむ、この頃のアルトマンは一体、どういう状況にいたのでしょうか。その辺りも影響あるのかも、、、知らないけど。調べてみる価値ありそう。
というわけで、アルトマンにしてはとっつきやすい作品なので、初めて見るのにはむしろオススメかも知れません。いや、これを初めて見ていたら、私はアルトマンにこんなに惹かれなかったと思うから、オススメじゃないかも。